2006年2月7日(火)「しんぶん赤旗」

“植民地下、台湾の教育に力”

麻生発言に中国で批判


 【北京=菊池敏也】麻生太郎外相が四日、日本の台湾植民地支配を美化する発言を行ったことに対して、中国国内での批判が高まっています。

 麻生外相は四日、福岡市内での講演で、日本が植民地支配下の台湾の義務教育に力を入れたと指摘しつつ、「いま極めて教育水準が高い国であるがゆえに、いまの時代に追いついている」などと発言していました。

 中国外務省の孔泉報道官は五日、談話を発表し、「日本の外相が公然と侵略の歴史を美化する言論を行っていることに驚きを感じるとともに、強い憤りを表明する」と批判しました。

 孔報道官は「半世紀にもわたる日本の台湾植民地支配は、日本軍国主義による中国侵略の歴史の暗黒の一ページだ」と指摘しつつ、「加害国の外交当局の最高責任者がこうした言論を発表するのは、歴史のわい曲であり、中国人民の感情をひどく傷つけるものだ」と非難しました。

 新華社通信も五日、「中日関係の基礎を損なうびゅう論」と題した論評を発表し、「麻生外相は台湾に対する日本の植民地支配を露骨に美化し、しかも台湾を公然と『国』と呼んだ」と批判し、「これは明らかに日本政府の一貫した立場にもとり、中日関係の政治的基礎を損なうものである」とのべました。

 論評は「麻生外相の言う台湾での『義務教育』は『皇民化』教育だった」と反論し、「『皇民化』教育は、日本の侵略者が台湾を支配し、隷属化する本当の意図をはっきりさらけ出しており、必ず失敗に終わる運命のものだった」と指摘しました。


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