2006年2月4日(土)「しんぶん赤旗」
米牛肉 輸出再開にトリック
企業認証あれば製品条件満たす
日米政府とりきめ
「米農務省の認証を受けた企業は、(日本向け輸出)条件を満たしているとして製品を表示、販売することができる」――昨年十二月の米国産牛肉の輸入再開にあたって、牛肉製品そのものを検査するのではなく、米政府が認証した施設で処理すれば再開条件を満たす製品とみなすトリックのあるとりきめを、日米両政府間で結んでいたことが三日までにわかりました。
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この文書は、日本向けに輸出する牛肉を扱う米国の事業者に適用される「牛肉に関する特定された製品の条件」。米国産牛肉輸入再開のため昨年十二月十二日に「家畜衛生条件」とともに日米で合意した文書です。
同文書は、一昨年十月に日米で合意した牛肉輸入再開の条件にかかわる追加的な事項などを定めたもので、(1)企業の「内部監査」にかかわる事項(2)脊柱(せきちゅう)などBSE(牛海綿状脳症)の危険部位を除去する牛肉製品の規格、月齢条件などが書かれています。
食肉処理施設は、米農務省の品質システム評価プログラムで定義された手順や条件が文書で作成されているかどうかで、現在、米国四大大手メーカーなど三十八施設が認証を受けています。
日本向け米国産牛肉について、同文書は「品質システム評価プログラムを通じ、輸出証明プログラムの下で日本向けに特定された製品の条件を満たさなければならない」としています。
しかし、危険部位の背骨つき米国産牛肉がことし一月二十日、日本に到着したことで、「製品の条件」を満たしていることを確認できないシステムだったことが裏付けられました。
米政府認定施設である食肉処理場から、米政府の検査官の証明書もついて出荷されただけに、施設認定で「製品の条件を満たしている」とみなすのでは、条件順守が絵に描いたもちにすぎないことがはっきりしました。