2006年2月4日(土)「しんぶん赤旗」
米議会内で排除・逮捕
シーハンさんに当局が謝罪
【ワシントン=鎌塚由美】議会警備当局が、一月三十一日のブッシュ大統領の一般教書演説を傍聴しようとした平和活動家のシンディ・シーハンさんを議場から排除し逮捕した問題で、同警察署長は一日、排除・逮捕が不適切だったと認め、謝罪しました。
シーハンさんは当日、リン・ウルジー下院議員(民主党)の招待で傍聴席に向かい、席についてジャケットを脱いだところで「抗議者」とみなされ、排除・逮捕されました。シーハンさんは、「(米兵)二千二百四十五人が死んだ。あと何人死ぬのか」と書いたTシャツを着ていました。
米メディアは一日この問題を、「軍を支持する」と書かれたTシャツを着て傍聴しようとした共和党下院議員の妻も排除されていたこととあわせ、大きく取り上げました。ウルジー議員は、「表現の自由はいつから、大統領に賛成か反対の条件つきになったのか」と当局の対応を批判。「自らの血肉をこの悲惨な戦争で失ったシーハンさんは議会のルールを犯していない」との声明を発表しました。
警備当局は一日、シーハンさんらを排除したことについて「誤り」を認め、シーハンさんへの起訴取り消しを申し出ると述べました。
シーハンさんは一日、インターネット上で手記を発表。招待した議員に敬意を払うためにも「混乱は引き起こしたくなく」、妨害の意図はまったくなかったにもかかわらず、当局が強硬に排除したと述べています。