2006年2月4日(土)「しんぶん赤旗」

施設庁官製談合

防衛庁も組織的天下り

緒方議員 「申請書」示し追及


 とどまるところを知らない防衛施設庁の官製談合事件。額賀福志郎防衛庁長官は、防衛施設庁を「解体」し、防衛庁に統合することで、事件の幕引きを図ろうとしています。ところが、統合先の防衛庁でも、事件の根源=天下りが組織的に行われていました。

 緒方靖夫議員が、外交防衛委員会で、企業側が防衛庁に提出する天下り“申請書”の実物を示し、追及しました。

 緒方氏が示したのは、企業側が、天下りを受け入れる際に、防衛庁へ事前に提出する申請書。A4判二枚で、「採用年月日」「身分」「職務内容」「勤務地」「基本給」「諸手当」「賞与」などの記入欄があります。

 注意書きとして「採用通知のあて先は、次のようにお願いいたします」として、防衛庁の住所と該当部署、電話番号を記述。防衛庁側が作成していたことをうかがわせるものとなっています。

 緒方氏は、関係者がこの文書について「企業側で作成したものではなく、防衛庁で作成し、再就職(天下り)のあっせんの際に提出する決まりになっているものだ」と語っていることを紹介。記述されている防衛庁の住所が、現在の市ケ谷庁舎(新宿区)への移転(二〇〇〇年五月)前の場所(港区)であることをあげ、「こうした慣習は、かなり以前から行われていたことになる。防衛施設庁に根深い問題があることは明らかだが、防衛庁全体で、天下り問題についての徹底調査が必要だ」と追及しました。

 額賀長官は「談合事件を起こさないためには、防衛庁全体として、どう対応策をとるかが大事だ」と答弁しました。

 防衛施設庁が発注した全国の在日米軍基地における建設・土木などの工事の落札率(予定価格に占める落札額の割合)では、95%を超える工事が八割に達しています(二〇〇一年度から四年間)。緒方氏は、このことを指摘しながら、「在日米軍施設をめぐる建設・土木工事でも幅広く談合が繰り返されてきた疑いは濃厚だ」とのべ、調査を要求しました。

 額賀長官は「どういう問題点があるか、真剣に取り組みたい」と答弁しました。


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