2006年2月3日(金)「しんぶん赤旗」
岩国基地でも談合か
施設庁 滑走路沖合移設工事で
防衛施設庁工事の官製談合事件で、広島防衛施設局が発注した在日米軍岩国基地(山口県岩国市)の滑走路沖合移設工事でも、元技術審議官で、防衛施設技術協会理事長の生沢守容疑者(57)らが、建設会社の受注調整を指示した官製談合を行っていた疑いがあることが二日、関係者の話で分かりました。
受注調整には、東京地検特捜部の家宅捜索を受けた大手ゼネコン大林組(東京都港区)の顧問や同庁OBが関与した疑いも浮上。特捜部は、岩国基地の工事も同庁の主導で受注調整が行われた疑いがあるとみて、調べているもようです。
岩国基地移設工事は、住民の安全や騒音問題などから、滑走路を東側沖合に約一キロ移設する計画で、総事業費二千四百億円、埋め立て面積約二百十三ヘクタールの超大型プロジェクト。
関係者によると、談合の疑いがあるのは、二○○四年度に事業が始まった滑走路の「中央地区埋め立て工事」「中央地区地盤改良工事」など。
中央地区埋め立ては、大林組など三社共同企業体(JV)が二十七億三千万円、落札率97・7%で、中央地区地盤改良は、鹿島など三社JVが三十五億一千七百五十万円、同96・8%で落札しました。
当時は生沢容疑者が同庁ナンバー3の技術審議官で、前技術審議官河野孝義容疑者(57)=一月三十日付で同庁付=が建設部長を務めており、受注調整を指示した疑いがあるといいます。
一方、大林組の顧問は、中国、四国地方の公共工事全般で談合を仕切っていたとされ、防衛施設庁が一九九二年、岩国基地の沖合移設を決定したころから、当時の同庁幹部だったOBとともに関与していたといいます。
移設工事は九六年度から埋め立てを開始し、○八年度に完成予定。区域を南、北、中央地区に分割、南、北地区は埋め立てをほぼ終了し、中央地区が工事中。