2006年2月3日(金)「しんぶん赤旗」

診療報酬改定で夜間透析中止?

“社会復帰の道閉ざす”

厚労省前 腎臓病患者ら座り込み


 「夜間・休日の人工透析の機会を奪わないで」――と透析患者らでつくる全国腎臓病協議会は二日、厚生労働省前で座り込みを行いました。今年四月に実施される診療報酬改定で人工透析の夜間・休日加算の引き下げなどが提案されています。約百五十人の参加者は冷たい風が吹くなか、「加算が引き下がれば夜間・休日の透析を行わない施設が出る可能性がある。加算引き下げには反対。透析患者の社会復帰の道を閉ざさないで」と訴えました。


 福岡県久留米市在住の古賀敏文さん(59)は慢性腎炎で二十二年間、人工透析を受け続けてきました。仕事は電気関係の自営業。通常は午後八時すぎまで仕事をしますが週三回、午後四時に夜間透析を受けるため早めに仕事を切り上げます。午後九時ごろまでかかる人工透析は吉田さんにとって「しなければ、生きていけない。命そのもの」。夜間透析ができなくなれば、生活が困難になるといいます。

 先月十八日、中央社会保険医療協議会は診療報酬改定について「人工腎臓に係わる夜間及び休日の加算について、引き下げる方向で検討する」と提案。全腎協によると、夜間・休日加算のほか、透析一回あたりの医療点数、検査料、透析に必要な材料費の引き下げが予想されるといいます。

 全腎協の調べでは、前回の改定で、時間に合わせ三段階に分かれていた保険点数が一つにされ、多くの施設で透析時間の短縮が起こっています。

 日本共産党の小池晃参院議員や高橋千鶴子衆院議員、民主党の国会議員も駆けつけあいさつしました。小池議員は、診療報酬は医療行為を確実に行わせ命を守るための経済的保障で、加算の引き下げは暴挙と批判。「命を守る医療、人工透析をしっかり拡充させていくためにみなさんと一緒に頑張っていきたい」と述べました。


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