2006年2月2日(木)「しんぶん赤旗」
人権条例の施行停止
見直しへ県が条例案提示
鳥取県
鳥取県は一日、全国で初めて制定した県人権救済条例について、当初予定していた六月の施行を停止する条例案を議会側に提示しました。県は施行停止後、条例の抜本的な見直しに着手。県内で起きている人権侵害の実態を調査した上で、適切な救済方法を再検討するとしています。
停止条例案は二十四日開会の二月議会で審議されます。
人権救済条例は、人権救済委員会が被害者の申し立てなどを受け、調査・勧告して人権侵害を救済するというもの。しかし、県が委員推薦を求めていた県弁護士会は、人権救済の名のもとに行政機関による人権侵害の可能性が高く憲法違反の恐れがあるとして協力を拒否。
日本共産党鳥取県委員会も、言動を対象にするなど県民の言論・表現の自由を侵すとして、当初から廃止を含む発動の停止を知事に申し入れていました。
条例の抜本的見直しへ大きく動き出したことについて、日本共産党の市谷知子県書記長(県議候補)は「道理と県民の運動の成果であり喜びたい。県は立法事実が確認できていないことを明らかにしており、廃止が筋です。議会内にはあくまで施行を求める意見もあり見直しの行方も不透明で、逆流を許さないためにも二月議会に向けたたたかいが大事です」と話しています。
日本共産党県委員会や国民救援会県本部、新婦人県本部、鳥取医療生協などが参加する「人権条例の改廃を求める連絡会」では、廃止を求める署名を広げています。