2006年2月2日(木)「しんぶん赤旗」

解雇ノン パリで青年5000人デモ

労組・学生ら反撃

“不安定雇用を拡大”

仏政府の「青年雇用政策」


 【パリ=浅田信幸】フランスで一月三十一日、政府提案の青年雇用政策「初採用契約(CPE)」の国民議会(下院)審議が始まりました。一方、これを「青年に対する差別、全労働者への不安定化の拡大」と批判する労組や学生・高校生組織は同日、「闘争週間」の第一弾として全国行動に取り組み、パリでは主催者発表で五千人のデモが行われました。


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(写真)(浅田信幸撮影)は政策撤回を叫ぶ高校生。

 「初採用契約」はドビルパン首相が一月半ばに打ち出したもの。二十六歳以下の青年雇用対策として、昨年夏から開始した「新採用契約(CNE)」が従業員二十人以下の企業を対象としていたのに対し、これを従業員二十人以上の全企業に拡大するものです。

 特徴は、無期契約を前提としつつ、通常一カ月から三カ月とされる「見習い期間」を二年間とし、この期間内であれば企業の都合により解雇が自由にできること。企業側には採用者の社会保険負担分を三年間免除される特典が与えられます。

 労組や野党の社会党、共産党は「不安定雇用の制度化」「青年を使い捨て労働者にするもの」と批判。有力紙ルモンドは「先例のない労働市場の規制緩和」であり、「無期契約制度を解体すると非難される恐れ」があると報じました。

 昨年打ち出された「新採用契約」は年末までに三十万の契約が成立。失業率も昨年四月に10・2%を記録して以後、昨年末には9・5%へと八カ月連続して低下しました。

 しかし新規採用の過半数が期間六カ月以下の短期不安定雇用。また二十五歳以下の青年の失業率は23%で、義務教育を終えただけの若者の場合は40%に達しています。

 不安定雇用の拡大に反発する最有力労組の労働総同盟(CGT)をはじめ四つの主要労組と全国学生連合(UNEF)、全国高校生連合(UNL)は二十四日、「初採用契約の撤回」をスローガンに共同の反対運動を提起しました。

 政府は議会審議を急ぎ九日までに終了させる予定。これに対し野党は撤回を要求して徹底抗戦の構え。労組や学生・高校生は七日の全国的な統一行動で政府に圧力をかけるとしています。


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