2006年1月31日(火)「しんぶん赤旗」
新自由主義に反対/イラク占領抗議
7万人以上参加 世界社会フォーラム閉会
【メキシコ市=松島良尚】ベネズエラの首都カラカスで開かれていた第六回世界社会フォーラム(WSF)は六日間の日程を終えて二十九日、閉会しました。現地からの報道によると、最終日に行われた「社会運動国際集会」で、米国によるイラク占領に反対する会議を三月二十四日から二十七日までエジプトの首都カイロで開催することや六月の主要国首脳会議(G8)に対抗する集会の開催などが確認されました。
フォーラムには、中南米地域を中心として約二千二百の団体から七万人以上が参加、千八百以上のセミナー、パネルディスカッション、分科会などの活動が行われました。中心テーマは、「社会的解放をめざす権力、政治、たたかい」「帝国主義戦略と国民の抵抗」「生命にとっての資源と権利」など。テロや水道民営化、新自由主義などをテーマとする数多くの討論会や展示が行われました。
開催国ベネズエラのチャベス大統領は二十七日、数万人の参加者を前にあいさつ、世界社会フォーラムが、単なる世界的な行事として行われるのではなく、「政治的帝国主義」、新自由主義、自由市場経済政策に反対する具体的な行動計画を持つよう期待を表明しました。
米国の「反戦の母」のシンディ・シーハンさんはじめ、イラク戦争で息子たちが犠牲になった父母たちもフォーラムに参加しました。
シーハンさんは、ベネズエラのチャベス大統領のラジオ・テレビ番組「もしもし大統領」にも招かれました。テキサス州にあるブッシュ大統領の農場近くで再び抗議のキャンプを張る計画を明らかにし、「ブッシュ大統領は政治的に裁かれ、法廷に引きずり出されることになるでしょう」と強調しました。
来年の世界社会フォーラムは、アフリカのケニアの首都ナイロビで一月に行われる予定です。