2006年1月28日(土)「しんぶん赤旗」
「日の丸・君が代」強制強化
都教育長の答弁撤回を
学者・ジャーナリストが要請
西原博史早稲田大学教授ら学者、ジャーナリスト六氏は二十七日、「生徒への『日の丸・君が代』強制を一層強化する『通達』に反対し、教育長答弁の撤回を求めることを呼びかける」とのアピールを発表するとともに、東京都の中村正彦教育長に卒業式・入学式で「日の丸・君が代」を強制しないよう要請しました。
アピールは、中村教育長が昨年十二月八日の都議会本会議で、卒業式などで学級の生徒の多くが「君が代」を起立斉唱しなかった場合、他校に波及しないよう、生徒を指導することを求める通達を出すと答弁したことについて、「通達の発出」の脅かしで「生徒への強制を強めようとするもの」と批判。答弁の撤回とともに、卒業式・入学式などで生徒の内心の自由を保障することを周知徹底するよう要求。「日の丸・君が代」を強制する都教委の「通達」「実施指針」(二〇〇三年十月二十三日付)や、それに基づく不当処分の撤回を求めています。
西野氏のほか、勝野正章東京大学助教授、小森陽一東京大学教授、ジャーナリストの斎藤貴男氏、俵義文立正大学非常勤講師、成島隆新潟大学教授が名を連ねています。要請後、西原氏は「卒業式の時期を迎え、『国旗・国歌』の問題が、子どもたちへの明白な強制になりかねない動きが進んでいる。強制は子どもたちの心を傷つけるもので、あってはならない」と都教委の姿勢を批判しました。