2006年1月27日(金)「しんぶん赤旗」

京都市が軽減策

運動実現 国基準の半額程度に

障害者福祉の利用料自己負担


表

 障害者が生きていくために欠かせない福祉サービスに一割の利用料を強いる、障害者「自立」支援法が四月に施行されることを受け、京都市は独自の負担軽減策を実施する方針を決めました。二月議会に提案される予定で、関係者からは「障害者の運動の成果」との声があがっています。また京都府も二十六日、京都市と同様の施策を市町村と協調して実施することを明らかにしました。

 国制度では、障害福祉サービス、自立支援医療、補装具の利用者に所得区分ごとに負担の上限額を四段階に設定。例えば障害福祉サービスの場合、無料の生活保護世帯以外は、所得区分ごとに月額一万五千円、二万四千六百円、三万七千二百円が上限となっています。

 京都市の軽減策では、独自の所得区分を設定。市民税所得割四万円(年収約二百三十万円)未満の利用者には、それぞれ負担の上限月額を国基準のおおむね半額に低減します。(障害福祉サービスでは在宅生活者が対象、三年間の暫定措置)

 また障害福祉サービス、自立支援医療、補装具を重複して利用する場合、国制度ではそれぞれ別に上限月額まで負担しなければなりませんが、京都市では、障害福祉サービス、自立支援医療、補装具の負担の合計に総合的な上限月額を設定し、その額を超える負担が生じた場合に償還する総合上限制度を創設します。

 児童補装具での軽減策や、精神障害で長期入院者の退院後一年間の精神科通院医療費を全額免除(国保の精神・結核付加金は廃止)する支援も合わせて行います。

 京都では、幅広い障害者団体などが「応益負担」反対で共同し、大きな運動をつくりあげてきました。きょうされん京都支部の粟津浩一支部長は、「障害者の声を一定受けとめてもらえた結果。全国の仲間も励ますものと思う。また府が同様の施策を実施すれば府内での格差が緩和される。施策実施の周知徹底をしてもらい、四月以降で実効性を見ていきたい」と話しました。

 日本共産党の妹尾直樹市議(厚生委員)は、「幅広い障害者・関係者の運動の成果。党市議団も市独自の負担軽減策を求めてきた。ただ現在は市内の在宅福祉サービス利用者の97%が無料であり、法施行による負担増は避けられない。軽減策の拡充を求めて今後も頑張る」と話しています。


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