2006年1月26日(木)「しんぶん赤旗」
アフリカでの世界社会フォーラム
女性の権利など論議
マリ
西アフリカの内陸国マリの首都バマコで十九日から行われていた世界社会フォーラム(WSF)が二十三日閉幕しました。WSFは今年世界の三都市で順次開催されることになっており、二十四日からベネズエラのカラカスで始まる会合に引き継がれます。
現地からの報道によると、バマコでの会合には主催者の発表で一万五千人から二万人が参加、五日間にわたり、討論会など八百以上の催しが行われました。うち八千人は近隣諸国からの参加で、マリの農村部からも約三百人が参加しました。
コーディネーターのママドウ・ゴイタ氏によると、初めてアフリカで開催された今回のフォーラムでは、従来の南北格差、貧困問題など経済のグローバル化(地球規模化)の下での世界的な問題だけではなく、女性の性器切除、早期結婚、少女の不識字率などのアフリカの抱える問題にも焦点が当たったのが特徴となりました。コンゴやスーダンの紛争の解決策についても討論が行われました。
アフリカ諸国が抱える債務問題もフォーラムの焦点となりました。債務問題の分科会で、参加者はマリが昨年、債務返済にあてた一億九百万ドルは同国の教育、保健への支出の倍であったことを強調。また、昨年の全世界的な貧困克服の運動のなかで実現した主要国首脳会議(サミット)によるアフリカ十四カ国の債務帳消しは、アフリカが抱える債務の10%でしかないことなども指摘されました。また債務問題での運動での各国での政治腐敗とのたたかいの重要性も指摘されました。
主催国となったマリは世界の最貧困国の一つですが、フォーラム開催のため二十八万ドルを拠出、会議ホール、国立博物館、図書館などの施設を諸行事の会場に提供するなど運営に協力しました。