2006年1月25日(水)「しんぶん赤旗」
不法移送は100人超
CIA疑惑 欧州会議委が報告
【パリ=浅田信幸】欧州で米中央情報局(CIA)がテロ容疑者を秘密収容所に拘束し拷問を加えていたとの疑惑を調べている欧州会議(CE=本部ストラスブール)調査委員会は二十四日、CIAによって不法に拉致・移送されたテロ容疑者が「百人以上」に達するとの中間報告を発表しました。
報告は、ディック・マーティ調査委員会責任者(スイス人)がまとめました。「欧州にかかわる(拉致後の)移送は過去数年間に百人を超えているとみられる」と指摘しています。
また各国の政府・議会関係者の証言にもとづき、「一貫性を持ち、内容の一致する数多くの指標から、“移送”もしくは拷問の“下請け”システムが存在する」と述べるとともに、「欧州各国政府、もしくは少なくとも情報機関がこれらの“移送”を知らなかったということはありそうにない」と結論づけています。
報告はさらに、「米政権は、法治国家のルールと人権はテロとの効果的なたたかいと両立できないという原則から出発しているようだ」と明記し、ブッシュ政権を厳しく批判しました。
人権や民主主義の推進を目的に欧州四十六カ国が加盟する欧州会議は昨年十一月末、マーティ氏を責任者にCIA疑惑の調査を開始していました。