2006年1月24日(火)「しんぶん赤旗」

小泉政治と深い関係

ライブドア機関誌でエール

武部自民幹事長“素晴らしい青年”

堀江社長“規制緩和の恩恵”


 「堀江君は、素晴らしい青年だと思うな」「小泉内閣の規制緩和のおかげで、非常に商売がしやすくなっています」―。東京地検特捜部に逮捕されたインターネット関連会社ライブドア社長の堀江貴文容疑者(33)と自民党の武部勤幹事長(64)が、同社の機関誌で対談し、お互いに礼賛しあっていたことがわかりました。話題には竹中平蔵総務相や、世耕弘成参院議員も登場。堀江氏が立候補した昨年の総選挙を機に深まった、自民党とライブドアの「蜜月(みつげつ)」関係をうかがわせます。

 武部「小泉内閣は、いろんなことやってますよ。徹底した歳出削減と規制緩和…」

 堀江「実際、うちはその恩恵にあずかった企業ですよ」「規制緩和してくれると…我々みたいな新興企業が食い込めるんですよ」「非常に商売がしやすくなってます」

 ライブドアの急成長は、小泉政権の規制緩和路線のおかげだと、堀江氏が持ち上げます。

 この機関誌は『ライブドア』二〇〇五年冬号。巻頭で「武部勤×堀江貴文 絡み合う政治とIT」と題し、見開き四ページで両氏の対談を掲載していました。

 話題は昨年の総選挙にも及びました。当時、堀江氏は広島6区に無所属で立候補。無所属ながら自民党本部で立候補表明会見をし、武部氏が同席していました。告示後、陣営には竹中平蔵総務相ら党幹部が応援に駆けつけました。

 堀江「竹中(平蔵)大臣からもアドバイスをいただきました。選挙ではマクロ経済の話なんかしても駄目なんですよ、とか。僕のスピーチもかなり変えました」

 武部「堀江君の演説会に行った時は…難しい言葉を使ってもしようがないから、幕下が横綱破ったら面白いじゃないですか、とかね。わかりいいでしょ」

 「今じゃ、自民党仕込みの笑顔ですよ」とサービスする堀江氏を、武部幹事長は「君の場合…瞬間的に自分が必要なものをキャッチできるよね。先天的なものがあるなあ」とべたぼめしています。

 堀江氏は世耕弘成議員との親交も紹介。「選挙に出るというんで、自民党本部に行ったら、世耕先生とばったり。『何やってんですか、こんなところで』と聞かれちゃって」と話しています。

 機関誌の表紙は、対談時に武部幹事長が描いた堀江氏の似顔絵。「この似顔絵を描いた人、かなりのツワモノです」との文字が添えられています。

 堀江氏を選挙の「看板」として大いに利用した自民党。強制捜査以降、幹部は「郵政民営化に賛成の観点から応援した」(二十日、竹中総務相)などと弁明に必死です。


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