2006年1月22日(日)「しんぶん赤旗」

キューバ　ＷＢＣ参加

国際野球連盟など要請

米が一転許可

　【ワシントン＝山崎伸治】野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」（ＷＢＣ）にキューバが出場できることになりました。キューバに経済制裁を科していることを理由に拒否してきた米財務省が２０日、参加を許可しました。

　これでＷＢＣは当初予定どおり、日本を含む１６カ国・地域が参加して、３月３日から開催されます。

　キューバのＷＢＣ参加をめぐって米政府は昨年１２月、キューバからの参加者による「スパイ」活動の可能性や、同国の獲得する賞金が「キューバ国ないしは国民が利益を得るような契約を禁止」した経済制裁法に抵触することをあげて拒否。それに対しキューバ側が賞金をハリケーン「カトリーナ」被災者のために寄付することを表明し、再度、出場許可を申請していました。

　これまで大リーグ機構が２度にわたり、キューバの参加を求める要望書を米政府に提出し、国際野球連盟が、キューバの参加拒否の場合、大会を公認しないことを示唆していました。

　キューバは、野球が１９９２年のバルセロナ・オリンピックから正式種目になって以来、４回のうち３回（バルセロナ、アトランタ、アテネ）で金メダルを獲得している世界の強豪。米国はこれまでオリンピックに大リーグ選手を参加させたことはなく、キューバとは９９年に大リーグのボルティモア・オリオールズが交流試合を行っています。

　キューバは３月７日から１０日にプエルトリコで開かれる１次リーグで、プエルトリコ、パナマ、オランダと対戦します。

　米国の対キューバ経済制裁をめぐっては、昨年１１月の国連総会が制裁終了を求めた決議を賛成１８２の圧倒的多数で採択するなど、国際的に批判が強まっています。