2006年1月22日(日)「しんぶん赤旗」
嘉手納基地F15墜落
抗議の市議立ち入り拒否
米軍へ反発強まる
沖縄市議会の代表の一人として、F15戦闘機墜落事故の抗議決議を手交するために、事故機が所属する米空軍嘉手納基地を訪れる予定だった池原秀明市議(日本共産党)の立ち入りを米軍が拒否した問題は波紋を広げています。
米軍側の立ち入り拒否に対し、十九日の抗議行動を中止した市議会は、すぐに対応を協議。二十三日に臨時議会を開き、この問題で抗議決議を行うことになりました。
米軍は市議会側の断固とした態度に慌て、翌二十日午前、「今回に限って立ち入り規制を解除する」と通知してきましたが、議会は「事態の解決になっていない」とさらに反発。昼になって一転、「(池原市議が)議員である間は嘉手納基地への入場が許される」と連絡をしてきました。
この問題について米軍嘉手納基地側は「(池原市議が)一九八二年に嘉手納基地への立ち入りを永久に禁止されている人物」とする以外、何らの説明を行っていません。
八二年当時、池原市議は反戦地主として嘉手納弾薬庫内にあった土地に牛舎を建設し、この土地を返還させました。池原市議は「米軍再編・強化が緊迫するなか、基地反対運動をする人たちへの嫌がらせとしか思えない」と語っています。
島袋邦男議会運営委員長は地元紙の取材に「公人としての立ち入りを断ることは、民主主義に対する米軍の認識の甘さの表れ。今回に限って入場を許されたところで、問題の解決にはならない。このままなら安保容認の議員でさえ、反基地に変わりかねないほど議会全体が怒っている」(「琉球新報」二十日付)と指摘しています。地元紙の沖縄タイムスも二十一日付の社説で「ここはいったい、どこの国なのかと耳を疑ってしまう」と憤りを表明。「民意を代表する機関の意思表示さえ拒もうとするのなら、決して『隣人』という言葉を使うべきではない」と強く批判しています。