2006年1月21日(土)「しんぶん赤旗」
伊国防相発言
年内イラク撤兵へ
【パリ=浅田信幸】ローマからの報道によると、イタリアのマルティノ国防相は十九日、議会上院の防衛・外交委員会で「イラクの軍事作戦は二〇〇六年中に徐々に終え、年末には完了するだろう」と発言。多国籍軍の主力である米英の合意があれば、年内に完全撤退する意向を明らかにしました。
伊軍の部分撤退は昨年九月から開始され、現在イラクに派遣されているのは三千二百人の部隊。計画では六月までにこれを千六百人に半減させるとしており、一月中にも三百人が帰還を予定しています。即時撤退を主張する野党の中道左派勢力は、六月以降の撤退計画にあいまいさがあると指摘。「最終決定は新しい議会と政府に委ねられる」(左翼民主党)とし、四月九日投票で行われる総選挙での争点に押し出す構えです。
共産主義再建党のジョルダーノ下院議員団長は「政府の決定は軍事政策の失敗と選挙の接近による世論の圧力によるものだ」と語りました。