2006年1月20日(金)「しんぶん赤旗」

超過利息また認めず

サラ金被害者救済の助けに

最高裁


 貸金業者が利息制限法の上限を超える金利(超過利息)を受け取れるかが争われた訴訟で、最高裁第一小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は十九日、契約の特約に超過利息支払いの事実上の強制がある場合は貸金業者が超過利息を受け取ることは認められない上、受け取れる条件である「債務者が任意に支払ったか」どうかは、特約に限らず契約書や取り立て時の説明内容なども検討して判断すべきだとする判決を出しました。

 超過利息をめぐっては第二小法廷が十三日、支払いが遅れた場合に一括返済を求められる特約が付いた融資では、超過利息の支払いを借り手に事実上強制するもので、任意の支払いとはいえないとの判断を示し、貸金業者の超過利息受け取りを認めませんでした。

 訴訟は、同様の特約がある融資の超過利息支払いの任意性が争われたもので、第一小法廷は、この特約がある場合の超過利息支払いは任意とはいえないと第二小法廷の判断を踏襲。貸金業者に超過利息の受け取りを認めた二審判決を破棄し、広島高裁に差し戻しました。

 第一小法廷はさらに、任意に支払ったかどうかは、契約書や説明書の文言、契約時、取り立て時の説明内容など「具体的事情に基づき、総合的に判断されるべき」と指摘。特約に限らず「事実上の強制」がないかが検討される可能性があり、貸金業者が超過利息をとる条件に対し、第二小法廷判決に続いて厳しい判断を示したといえます。

 日栄・商工ファンド対策全国弁護団の呉東正彦弁護士は「貸金業者が、特約だけでなく何らかの書面や口頭でも『超過利息を払え、払わないと不利益を受けるぞ』という事実上の強制を加えたら、任意性は認められず、超過利息は受け取れないという判断だ。多重債務救済の大きな武器になる」と語りました。

 訴訟は、アイフル子会社の商工ローン「シティズ」が連帯保証人に対し、約二百三十万円の支払いを求めたもの。


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