2006年1月20日(金)「しんぶん赤旗」
「君が代」不起立者
都教委が再度「研修」
ゼッケン理由に 被処分者ら抗議
「日の丸・君が代」問題で処分され「再発防止研修」を受けさせられたときにゼッケンなどを着けていた教職員に対し、東京都教育委員会は十九日、再度の「再発防止研修」を実施しました。被処分者らは「繰り返し苦痛をしいるもので人権侵害だ」として抗議しています。
再度「研修」を受けさせられたのは小・中・高校の教職員十人。昨年の卒・入学式で「君が代」に不起立だったため都教委から処分され、昨年七月の「再発防止研修」を受講しました。そのさい十人は、「日の丸・君が代」強制に反対する意思を示したゼッケンや鉢巻き、Tシャツを着用。都教委はこれが「職務専念義務」違反にあたるとし減給、戒告などの処分をおこなったうえ、再度の「再発防止研修」の受講を命じました。「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は、「被処分者に執ように『反省・転向』を迫るもので権力的弾圧、いじめだ」と抗議してきました。
同日、研修会場の都総合技術教育センター前には、支援者ら百人近くが集まり、再び研修を命じられた教職員を激励、「処分を撤回しろ」とシュプレヒコールを挙げました。弁護士が「今回の研修の目的は何か説明をしてください」と申し入れましたが、都教委側は「説明する必要はない」と繰り返すだけでした。
受講した教員によると、研修は教育公務員の服務義務について都教育庁の法務監察課長が講義するもので、「『なぜゼッケンが職務専念義務違反になるのか』との質問に講師はまともに答えられなかった」といいます。
「被処分者の会」は「(七月の研修の)当日、都教委はゼッケン・ハチマキ・Tシャツ着用を認めない理由さえも述べていない。…『報復』『見せしめ』であることは明らか」とする抗議声明を発表しました。