2006年1月18日(水)「しんぶん赤旗」

“もう二度と飛ばさないで”

沖縄 伊計島住民に不安

米軍F15墜落


 「また落ちやしないか心配だ。もう二度と飛ばさないでほしい」―。沖縄・伊計島(沖縄県うるま市)東方に米軍F15戦闘機が墜落した十七日、同島の住民の間では不安の声が広がりました。

 島の北端にあるリゾートホテルでは、一報を受けて従業員が念のためホテルの安全を確認しました。同ホテルの畑野松英代表取締役の脳裏には、同時多発テロで修学旅行などのキャンセルが相次ぎ、沖縄観光が壊滅的ダメージをうけた悪夢がよぎりました。

 「ホテルには何の影響もなく安心した。マスコミから問い合わせもあったが、予約には今のところ影響がない。本当によかった」

 島はサトウキビの収穫期。畑で作業をしていた男性(60)は「最近はヘリや輸送機の低空飛行が多くて心配していた」といいます。漁業と兼業している別の農民(62)は「墜落現場の数十キロの距離にはパヤオ(浮漁礁)もある。今日は風が強くて漁にはほとんど出られなかったのが幸いしたかもしれない」と語ります。

 島の人口は約四百人。唯一の学校、伊計小中学校の島袋盛吉教頭は「一報では島に近いところに墜落したとのことだったのでビックリした。いつも生命の危険があることは心配だが、何より住民や子どもたちに影響がなかったのでホッとした」と話していました。

 島に長年住む金城トミさん(89)は「学校もあるし怖い。低空飛行を見ると落ちるのかと思ってビックリすることもある。“米軍機が飛ばない沖縄”は心からの願いですよ」と青空を見つめました。(沖縄県・浅野耕世)


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp