2006年1月17日(火)「しんぶん赤旗」
基地強化「容認できない」
山口知事 訪問の麻生外相に
■広島知事も危ぐを表明
厚木基地の空母艦載機部隊を岩国基地に移転する問題で十六日、麻生太郎外相が地元説得のため山口・広島両県庁、岩国市役所を訪れ、「抑止力維持と(全体の)地元負担軽減の二つの観点から協力してほしい」と、各所で理解を求めました。山口県の二井関成知事は「現時点では容認できない」と返答しました。
また昨年、山口県・岩国市・由宇町が国に提出していた三十三項目の質問書のうち、回答が不明確な点について再質問していることを明らかにしたうえで二井知事は「騒音問題など新しい提案が出たわけではないから、従来の基地機能強化とNLP(夜間離着陸訓練)反対のスタンスは変わらない」と述べました。
岩国市役所では岩国市の井原勝介市長、由宇町の槙本利光町長と会談。井原市長は「負担が大きすぎ、とても容認できる状況ではないと伝えた」と語りました。
岩国市は三月二十日、近隣八市町村と合併。井原市長は自身や由宇町長が三月十九日で失職することに触れ、「それまでに、(三十三項目の質問書に対する)責任ある回答を国から頂いて、われわれとしての決断を下す」と明言。槙本町長は「苦渋の決断をしなければならない」とも語りました。
外相は広島県庁で藤田雄山知事、廿日市市の山下三郎市長、大竹市の中川洋市長と会談。
「国が示した騒音コンター(騒音予想図)の算定方法は疑問。NLPだけでなく低空飛行やNLP前の集中訓練も心配」(藤田知事)、「宮島への影響が非常に危ぐされる」(山下・廿日市市市長)、「沖合移設による新滑走路で飛行コースが変わり、従来の阿田多島だけでなく本土の陸上部にも影響する可能性がある」と、それぞれ危ぐを訴えました。