2006年1月17日(火)「しんぶん赤旗」
ライブドアを捜索
関連会社の買収で虚偽発表
東京地検
インターネットサービス会社「ライブドア」(東京都港区、堀江貴文社長)の関連会社で、インターネット広告会社「ライブドアマーケティング」(港区、岡本文人社長)が二○○四年、出版社を買収する際に虚偽の発表をし、株価をつり上げた疑いがあるとして、東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は十六日夜、証券取引法違反(風説の流布など)容疑で、ライブドアや港区の堀江社長宅、マーケティング社など十数カ所を家宅捜索しました。
マーケティング社の虚偽発表は、ライブドアが主導した疑いもあり、特捜部は堀江社長の関与の有無を含め、実態解明を進めます。
調べや関係者によると、マーケティング社は社名変更前のバリュークリックジャパン時代の○四年十月二十五日、株式交換方式で、出版社「マネーライフ」(港区)を完全子会社化すると発表しました。
しかし、ライブドアグループはこれに先立ち、同年六月、同社の発行済み株式を買収していたといいます。
さらに、マーケティング社は同年十一月、第3・四半期(同年九月まで)の決算短信で、株価を変動する目的で、売上高や経常利益、当期純利益を水増しするなどの虚偽の数字を公表した疑いがあるといいます。
ライブドアは、企業のM&A(合併・買収)を繰り返して急成長してきました。堀江社長は市場のルールに沿った企業活動の展開かのように語り、新興企業経営者の代表格としてもてはやされました。しかし、企業買収をめぐり、偽りの情報を流布することで株価をつりあげていたとしたら、ライブドアの「錬金術」は、市場のルールを破ることだったことになります。
堀江氏は、昨年九月の衆院選に広島6区から無所属で出馬。自民党の武部勤幹事長が応援に入り、小泉純一郎首相も「エールを送りたい」と述べていました。
▼風説の流布 虚偽の情報や未確認のうわさを流すこと。株式など有価証券取引にあたり、相場の変動を図る目的で風説を流すことは証券取引法で禁止されています。情報を信頼して投資判断をした投資家に損害を与え、また、市場の信頼性や健全性を阻害するためです。風説の流布によって得た利益は没収されます。罰則は五年以下の懲役または五百万円以下の罰金。