2006年1月16日(月)「しんぶん赤旗」
ゆうPress
日本共産党大会に参加して
悩みに共感
展望見えた
困難がどんなに大きくても、くじけずに立ち向かう青年党員たちの姿――。十一日から四日間、静岡県熱海市で開かれた日本共産党第二十四回大会では、青年党員の発言が反響を呼びました。代議員の約15%が二十―三十代の青年党員。日本の未来を指し示す新しい方針を打ち出した大会の感想とこれからの抱負を聞きました。(菅野尚夫、中村美弥子)
■「9条の会」広がりに勇気づけられた
「全国の青年仲間の活動や各地の『9条の会』の広がりに勇気づけられました」。岡山県の看護専門学校で学ぶ松尾祐子さん(25)は、大会初参加の感動をそう語ります。
松尾さんは、正看護師をめざし頑張っています。学園に党支部をつくり、さらに「9条の会」も立ち上げました。「先輩たちの頑張りも聞けて、これからの活動に生かし、命を守る看護師になります」
看護師を志したのは、小学校の一年生のとき。病気をこじらせ、高熱が続いて髄膜炎という重い病気になったのです。生死の境をさまよう体験をしたとき「やさしく看護してくれた看護師さんたち」。松尾さんのあこがれの仕事となりました。
定時制の高校で衛生看護学を学び、準看護師の資格を取得しました。高校卒業後、病院に勤務。現在は、正看護師の資格を取るために専門学校に通う日々です。
「患者さんが笑顔で退院していくことが何よりもうれしい」という松尾さん。ところが、相次ぐ医療改悪のなか、病院にかかりたくともかかれない患者さんの姿に胸が痛みます。「病気になったのになぜ治療さえできないの。この社会は変だ」
勤務した病院で、地域医療や医療改悪の学習会に参加し、社会の仕組みや矛盾についての探究が始まりました。民主青年同盟に加盟。そして、「同じ悩みや生き方に共感することがたくさんあった」と日本共産党への入党に発展しました。
松尾さんは、命を守る看護師にとって「人を殺し合う戦争は絶対に容認できない。戦争は二度と起こさせてはならない」と思います。昨年七月、専門学校で先生とともに「9条の会」を立ち上げました。
「未来をつくる私たちが動くことで若い世代について理解を深めてもらうことができます。親身になって若者の悩みを聞いてあげられます。青年支部と『9条の会』をもっと大きくしていきたい」
■視野広がった
「青年党員を早い時期に倍にしたい」と決意を述べるのは、長野県諏訪地区委員会青年支部長の吉沢智美さん(31)。四年前に日本共産党に入りました。
吉沢さんが日本共産党への入党を訴えられたのは、職場の同僚が不当解雇され、仲間とともにたたかって解雇を撤回させるなどの労働組合運動をしていたときでした。
「消費税増税反対、戦争反対で一貫しているしっかりした党」。吉沢さんが思っていた日本共産党のイメージでした。「組合活動をしているから入党はいいのでは」とも考えていましたが、「世間は共産党にたいして辛口で批判的。でも一番しっかり社会を変えていこうとしている」と入党しました。
「大会に参加して視野が広がった」という吉沢さん。「職場はばらばらにされているようでも、何とか良くしようと頑張っている人たちが全国にたくさんいることがよく分かった。町は三メートルもの雪。除雪ボランティアなど青年らしい活動に取り組み、楽しい青年支部づくりに頑張ります」
■「変われるんだ」
「展望が示され、暗い社会状況から抜け出す方向が見えてきて元気をもらいました」。笑顔で語るのは大阪市の西成民主診療所の青年支部からきた杉浦健さん(27)です。
「糖尿病の治療をうけて、三割自己負担の治療費が払えずに治療を一時中断しがちになった患者さん。診療所ではそんな暗い話でいっぱいです」と杉浦さん。入党して五年。大会代議員は初めてです。
「社会的連帯で明るく切り開いている活動の報告は励みになりましたね。とくに若者は『勝ち組』『負け組』と分断されていて団結することが大変です。僕の心にも、人に引け目を感じたりする『分断のかげ』を持っていることに気づかされました」と感想を語ります。
「多くの青年は、そんな中にあっても人間らしく生きたいと学習しながら前に進んでいる。未来ある党を実感しました。
千葉県の神部紅さんの発言は、青年の厳しい実態をよくつかんだ発言でした。それを聞いた僕も『変われるんだ』と感動をもって聞きました。大会は成長できる場でした」とも。
杉浦さんは、「おとなの支部の先輩党員のみなさんの援助も受けて青年党員を増やします」と決意をのべていました。
■外国政党代表の感想
■青年の活動 参考になった
T・K・ランガラジャンさん(インド共産党マルクス主義) 若い代議員が多く参加しているということは喜ばしいことです。インドでも最近、青年の中に拝金主義とキャリア志向が強まっています。
私たちはいま、学生だけでなく、IT産業で働く若者を組織化することに力を入れているので、代議員による労組活動や青年議員の活動の話は大いに参考になりました。
■若い人の中に入っていこう
ズデネク・レヴィさん、ウラディミル・セドラチェクさん(チェコ・モラビア共産党) 若い代議員がたくさん参加し、職場や学園で生きいきと活動している発言を聞いて驚きました。資本主義の発達した日本で、こんなに多くの若い人たちが共産党員として社会進歩のための活動しているんだと感激しました。
チェコでは、共産党が20%の得票をしていますが、過去の問題を利用した反共宣伝が強まり、若い人たちのなかに政治的無関心が広がり、保守的な考えをもつ人も増えています。チェコに帰ったら、日本の青年の姿を紹介して、もっと攻勢的に若い人たちの中に入って活動していこうと決意しました。
■仏の青年とも交流できたら
パトリス・ボワールさん(フランス共産党) 青年たちが「勝ち組」「負け組」に分断される状況は、フランスと共通しています。仕事がないのは、自分が悪いという意識が植えつけられているのです。こういう分断とたたかっている日本の青年の話と実際の経験を聞いたのはとても刺激的でした。
フランスでは、社会的分断を強めるとして欧州憲法ノーのたたかいに参加し、そこから入党する青年が多く生まれました。今後、日本とフランスの青年のたたかいの交流を図っていけたら、と思います。
■お悩みHunter
■結婚したいけれど…踏ん切りつきません
Q私には付き合っている人がいます。結婚したいと思っているのですが、私の仕事の収入もまだ少なく彼の給料もいいとはいえません。資格をとって一人前になれるまで無理かな?
そんなこといったら、三十代半ばになっちゃうかも。思い切って二人で頑張っちゃおうか、という気持ちもあります。踏ん切りがつきません。(30歳、女性。千葉県)
■結婚に踏みきってみては?
A付き合っている人がいるけれど、まだ“一人前”になりきれていない自分への不安もあって、悩んでいるようですね。気持ちはよく分かります。
ただ、本当に結婚したいと思っているのでしたら、思いきって結婚に踏みきってはどうでしょうか。「結婚したい」と本当に思っている時って、私は大切だと思います。
そして、おたがいが協力し合って、共同生活をつくりあげていこうという気持ちがあることですね。それは相手を、自分を大事にするということでもあります。
おたがいの土台があれば、悩みや葛藤(かっとう)があってもそれが逆に力になり、おたがいの成長に役立つと思います。一プラス一が二ではなく、三とか四になるのでしょうね。
結婚は、決してバラ色ではないと思います。苦労、悩み、けんか……けっこうつらいこともあります。しかし、結婚することで、人生をいろいろな角度から見ることもできます。
あなたには、もう少し収入が多くなれば…、資格をとれば…という考えもあるようですね。そう考えると、次つぎに条件が出てきて、結婚がのびていくことになるかもしれません。
あなたが悩みを投稿してくれたということは、もしかして結婚を後押ししてほしかったのかもしれませんね。
■精神科医 上村 順子さん
山口大学医学部卒。代々木病院、松沢病院などで勤務。99年からめだかメンタルクリニック院長。