2006年1月13日(金)「しんぶん赤旗」
24党大会会場から
闇から救う活動
「対立」「分断」に置かれた青年たち
「共産党を待っている」
「他者をけ落とさないと、自分の幸せもないと思い込まされ、深い闇の中にいる青年はたくさんいる。そんな青年の思いに応えられるのが共産党です」。党大会二日目の十二日、千葉県の神部紅(じんぶ・あかい)さん(23)は、「構造改革」のもとで青年のなかにつくられている「対立」と「分断」、それに反撃する連帯の広がりについて、自身の思いを語り、涙しながら発言しました。
■千葉 神部紅(じんぶあかい)さん(23)涙の訴え
いま日本民主青年同盟の千葉県委員会で働く神部さん。「青年の実態は、涙なしには語れない」と切り出しました。
昨年末に出会った二十代の夫婦は、建設会社に住み込みで働いて月給は二人で手取り五万円ほど。生活に困り会社を逃げ出し、行くあてもなくさまよいました。どうしたらいいのか…。相談した友人が民青同盟員でした。
同盟員はその日のうちに、共産党の県議に相談。住み込みで働けるまともな会社を見つけました。今では暮らしも落ち着き、夫婦そろって民青に入りました。
駅前の宣伝で知り合った女子高校生は、「この世で一番大事なものはお金」と「援助交際」を繰り返していました。あるとき気付いたリストカットの跡…。競争教育の学校や居場所のない家庭。「自分の存在を確かめ、やり場のない怒りをぶつけていたんでしょう」。そういった神部さんは涙を流し声をつまらせました。いまその女性も心を開き始め、民青に入りました。
神部さんは、日本共産党員作家・小林多喜二が戦争に反対し虐殺されたことを教科書で知っていました。十八歳のとき、「戦争に命がけで反対した」共産党の不屈さに引かれ入党しました。
「かつては自分自身も深い闇の中にいる青年の一人だった」という神部さん。自分も他者も信じられず、「ためらいなく」傷つけてきました。そんな自分が何に苦しめられてきたか。「それを科学的に明らかにするのが共産党。初めて展望が見えた」と振り返ります。
「分断され、人も自分も信じられなくなっている青年こそ共産党を待っている」と語る神部さん。
会場は、ハンカチで目を抑える代議員の姿も。「よかったよ」「感動したよ」。休憩時間には、代議員が神部さんの肩をたたき、握手を求めます。赤く目をはらし、はずかしそうに笑います。
自分を偽らず、ためらわずに相手の中に入っていけば、連帯は広がるといいます。「簡単なことではありません。でも、共産党の人たちならば、今の青年の思いにきっと応えられる。『対立』と『分断』は乗り越えられる」。まっすぐに前を見て、新たな一歩を踏み出そうとしています。