2006年1月13日(金)「しんぶん赤旗」
自衛隊那覇基地の部隊
米嘉手納基地移転も
米軍基地機関紙が指摘
沖縄の米空軍嘉手納基地の機関紙「カデナ・ショウグン」(昨年十二月十六日号)が、在日米軍の再編で自衛隊那覇基地(那覇市)に所属する部隊が嘉手納基地(嘉手納町など)に移転する可能性を指摘していたことが分かりました。
同紙は、米太平洋空軍のヘスター司令官(大将)が昨年十二月八日、嘉手納基地での上級下士官との会合で、太平洋地域における米空軍再編について説明したことを報道。この中で、同司令官が嘉手納基地に配備しているF15戦闘機の更新に言及したことを紹介するとともに、「もう一つの起こり得る変化は、那覇航空基地から嘉手納への自衛隊部隊の移転である」と指摘しています。
那覇基地から嘉手納基地への自衛隊部隊の移転計画はこれまでも日本のメディアでは報じられてきましたが、米軍側の同計画に関する具体的な指摘が明らかになったのは初めてです。
日米両政府が昨年十月末に合意した在日米軍再編計画は、日米の軍事一体化を図る方策の一つとして、嘉手納基地などの具体名を挙げ、沖縄の米軍基地を自衛隊との共同使用にする方向を打ち出していました。
「カデナ・ショウグン」の報道は、この日米合意に、那覇基地から嘉手納基地への自衛隊部隊の移転計画が含まれていることを裏付けるものです。
那覇基地には現在、航空自衛隊のF4戦闘機部隊や海上自衛隊のP3C哨戒機部隊などが配備されています。防衛庁はF4戦闘機をF15戦闘機に切り替える方針。
このほか同紙は、ヘスター司令官が「嘉手納基地はどんな変化があったとしても、太平洋戦域での作戦にとって主要な戦略的拠点(ハブ)であり続ける」と述べたことなどを報じています。