2006年1月13日(金)「しんぶん赤旗」
党大会に参加 外国政党代表の紹介
日本共産党第二十四回大会に参加している来賓が代表する党について、緒方靖夫国際局長が大会初日の十一日に紹介した内容と、来賓の横顔は以下の通りです。
■<アメリカ共産党>
「二〇〇三年に二十数年ぶりに日本共産党との関係を正常化して以後、前大会に続いての参加です。発達した資本主義での党活動に大きな関心を寄せ、今回の参加をその研究の機会にあてたいとのべています」
●リベロ・デラ・ピアナ氏 党組織担当書記、全国委員会委員
一九七一年ユタ州生まれ。大学入学直後に共産青年同盟に加盟。九一年に入党。党連絡担当責任者、組織担当責任者を歴任。
■<イタリア共産主義再建党>
「イタリア共産主義運動の伝統を継承して結成された党です。経済政策では新自由主義に反対し、対外政策ではNATO(北大西洋条約機構)解消を主張しています。社会フォーラム運動に協力しながら、活動を発展させています」
●サルバトーレ・ボナドンナ氏 党執行委員会委員
一九四二年生まれ。シチリア出身。労働組合運動三十五年。九五年からラツィオ州(首都ローマを含む州)州議会議員二期、州政府閣僚(都市、住宅問題担当)を歴任。
■<インド共産党(マルクス主義)>
「二〇〇四年の総選挙で十一議席増の四十四議席を獲得し、国民会議派政府にたいして閣外協力の与党となり、下院議長は同党から選ばれました。西ベンガル、トリプラの二州では統治の党として実績をつくっています」
●T・K・ランガラジャン氏 党中央委員、タミルナド州委員会書記
一九四一年生まれ。砂糖工場に勤務。インディラ・ガンジーの非常事態宣言を受けて、党の専従活動家に。九五年から中央委員に。
■<インド共産党>
「インド共産党(マルクス主義)と左翼戦線を構成し、政権与党としても、地方政治でも共同しています。人口十億のインドで、貧困の軽減、失業の克服、また独立した非同盟の外交政策のために活動しています」
●スダーカル・レディ氏 党全国評議会書記、国会議員、下院労働委員会委員長
一九四一年生まれ。学生時代に入党。全インド学生連盟の全国書記長、全インド青年連盟の全国委員長など歴任。党のアンドラプラデシュ州委員会書記を経て、現職の全国評議会書記。
■<カンボジア フンシンペック党>
「二〇〇四年、北京でのアジア政党会議で不破議長とラナリット党首が会談した際に、両党の友好関係を確立しました。ラナリット党首は、シアヌーク前国王の王子、下院議長であり、国の内外に大きな影響力を持つ党です」
●リ・トゥィック氏 党副書記長、国会議員、下院計画・投資・農業委員会委員長
一九六六年生まれ。十四歳でタイを経てパリへ。十六歳で入党。ソルボンヌ大学法学部卒。帰国後第二首相(ラナリット)第一書記、環境省副大臣、地方開発相などを歴任。
●ヘン・ソクン氏 党首ラナリット議長補佐官
一九七九年生まれ。プノンペンの医科大学、法科大学卒業。二〇〇五年からフンシンペック青年同盟副書記長。
■<キューバ共産党>
「アメリカによる経済封鎖とたたかいながら、社会主義をめざす国として前進しています。一九九二年以後、国連総会ではキューバ制裁解除決議が毎年採択され、昨年は百八十二カ国の賛成を得て、アメリカへの打撃となりました」
●イルダ・バサヨ氏 党国際部アジアコーディネーター
一九四五年ハバナ生まれ。ハバナ大学卒業。六〇年代に共産党青年グループに参加。七四年から党国際部アジア局員。
■<ギリシャ共産党>
「二〇〇〇年のそれぞれの党大会に初めて代表を送り、交流をすすめてきました。二〇〇四年の総選挙では、6%近くの得票、十二議席を獲得しました。党機関紙は、リゾスパスティス(急進派という意味)で、日刊紙を発行しています」
●パブロス・アレピス氏 党機関紙編集委員
一九五四年アテネ生まれ。七五年入党。欧州議会のグループ書記として九年間働き、党のラジオ局長を二年間務める。
■<スリランカ共産党>
「志位委員長が二〇〇三年に訪問した時に、開催されていた党大会に参加しました。二〇〇四年の選挙で、参加した統一人民自由連合政権が勝利し、グナセカラ書記長が憲法問題・民族和解担当大臣として入閣、与党として奮闘中です」
●バタポラ・ナンダ氏 党政治局員
一九五五年生まれ。仏教僧侶。大学入学とともに学生運動に入る。教師を経て、農民の水税、土地税問題でたたかう。党内では宣伝、教育を担当。
■<チェコ・モラビア共産党>
「旧政権党の後継政党として過去の総括を強め、九〇年代から総選挙で10%から18%、四十一議席に躍進、国政のキャスティングボートを握っています。二〇〇四年の欧州議会選挙では、反共攻撃とたたかい、20%を獲得しました」
●ズデネク・レヴィ氏 党中央統制委員会議長
一九七三年入党。七四年から村役場勤務。九二年から中央委員会勤務。
●ウラディミル・セドラチェク氏 党国際関係部員
一九五四年チェコ生まれ。輸送、金属関係の職業について九一年に入党。二〇〇五年から中央委員会勤務。
■<中国共産党>
「一九九八年の関係正常化後、さまざまな分野で両党間の交流が発展しています。昨年末には、不破議長はじめわが党代表団との間で深い理論交流がおこなわれました。北東アジア問題解決などで意見交換を継続しています」
●譚家林氏 党中央対外連絡部(中連部)部長補佐
一九五四年生まれ。八四年入党。七五年中連部に勤務。中連部内で副処長、処長、副局長、局長を歴任。二〇〇四年に中連部部長補佐に就任。
■<チュニジア立憲民主連合>
「アフリカ、中東に位置し、非同盟、イスラムの国の政権与党として、独自の地位と役割をもっています。二〇〇三年のこの党の大会には不破議長が参加し、その後のわが党大会には、この党の代表が参加し、交流が続いています」
●ファウジ・アウアム氏 党副書記長
一九五〇年生まれ。国家計画省入省。トゾール地方知事、地域発展委員会事務局長、全国紙ラ・プレス編集長、駐リヨン総領事など歴任。
●アリ・シャーラリ氏 党調整委員会事務局長、チュニス地方責任者、下院議員
一九六〇年生まれ。七八年入党、党青年部で活動開始。
■<ドイツ 左翼党>
「昨年創立された政党『労働と社会的公正のための選挙代案』との合意に基づき党名を民主的社会主義党から左翼党に改称、来年六月までに合同することになっています。九月の総選挙で、8・7%、五十四議席を獲得し、躍進しました」
●ハラルド・ヴェルナー氏 党幹部会委員、労働組合問題責任者
一九四〇年西ベルリン生まれ。ブレーメン大学で社会科学を専攻。政治経済学と労働組合運動について研究。
■<ドイツ共産党>
「九〇年代からそれぞれの党大会に代表を派遣してきました。発達した資本主義国という共通した条件のもとで理論、情勢分析、党の影響力をひろめるための党活動などについて意見交換をすすめてきました」
●デトレフ・フリッケ氏 党幹部会委員
一九四七年ハノーバー近郊生まれ。六〇年代のベトナム反戦運動を経験して七一年ミュンヘン大学法学部卒業。労働者のための弁護士活動。七三年ドイツ共産党に入党。九九年から党ニーダーザクセン州責任者。日本共産党大会参加は前回に続き二回目。
■<ネパール共産党(統一マルクス・レーニン主義)>
「九〇年代から首相や閣僚を出すなど30%台の得票で六十八から八十八議席を持ってきた強力な政党です。カナルさんは農業大臣、情報通信大臣などを歴任しました。昨年の国王のクーデターにより国会が機能停止という困難ななかで、今回初めての参加です」
●ジェラナート・カナル氏 党常任委員会委員
一九五〇年生まれ。六七年入党。国際局長、国会議員、農業相、土地改革相、森林環境・かんがい相、情報通信相を歴任。
■<ハンガリー労働者党>
「前大会に代表が参加し、その直後には、トゥルメル議長を団長とする代表団が来日し、不破議長、志位委員長と会談しました。ハンガリーのNATO加盟に反対するたたかいをすすめています」
●マリナ・ピラエヴァ氏 党中央委員
一九四八年ロシアのモスクワ生まれ。モスクワ国際関係大学卒。二十五歳のときハンガリーに渡る。現在ジャーナリストとして活動。
■<ブラジル共産党>
「ルラ政権のもとで、スポーツ大臣を担当しているほか、下院議長も務めるなど政権を支える役割を果たしています。二〇〇二年の大会から〇五年の大会で党員を倍化し、現在七万人の党員、二十万人の後援会員を擁しています」
●フランシスコ・ジョゼ・カルネイロ・デフレイタス氏 党国際委員会協力者
一九五九年生まれ。軍政末期の八一年入党。民政移管後の選挙でサンパウロ州議会選に党候補として立候補。党の組織、労働組合担当として活動。
■<ブラジル社会主義人民党>
「世界社会フォーラムの開催地として知られるポルトアレグレ市の市長をふくめ、いくつかの州都でも党員市長を出しています。十六人の下院議員や三千人の地方議員をもつなど大きな影響力があります」
●ジナ・リダ・キノシタ氏 党国際担当書記
一九四七年ドイツ生まれ。六一年十四歳でブラジル共産党入党。八二年から国際部員。サンパウロ大学教授を退官し、いまはユネスコ関連機関で平和教育を教える。
■<フランス共産党>
「先の欧州憲法条約批准国民投票では、フランスの有力政党のなかで唯一反対をかかげ、今日、国民投票の結果を尊重するよう要求する署名を展開し、EU(欧州連合)内の新自由主義的指令に反対する運動をすすめています」
●パトリス・ボワール氏 党全国執行委員
一九五九年パリ生まれ。七四年青年共産同盟員、七七年入党。党イゼール県書記長。ローヌ・アルプ圏議会議員。職業は看護師。
■<ベトナム共産党>
「市場経済を通じての社会主義をめざす方向を確立して十数年、経済と政治のドイモイ(刷新)をすすめています。この間、国会の機能強化、憲法改正がおこなわれ、この春には、第十回大会が開催される予定です」
●グエン・コア・ディエム氏 党政治局員、書記、思想・文化委員長
一九四三年生まれ。ハノイ師範大学卒業後、ベトナム南部で抗米救国戦争に参加。党フエ省副書記。文化情報大臣。
●タ・ミン・チャウ氏 党中央対外委員会副委員長、党委員会書記
一九四九年生まれ。党対外委員会(旧)ソ連・東欧局副局長、同局局長、ポーランド駐在大使を歴任。
■<ラオス人民革命党>
「先月に、共和国建国三十周年を迎えたばかりの国の政権政党ですが、わが党とは、それ以前の七〇年代から、民族解放と独立の大義のための党間交流をすすめてきました。ケオラさんは、この党の国際部長としても活躍してきました」
●スックタボン・ケオラ氏 駐日大使
一九四〇年生まれ。モスクワ国際関係大学修士課程卒後帰国し、人民革命党国際局、独立運動に参加。連合政府に参加し、モンゴル大使、キューバ大使、モスクワ大使、中国大使を歴任。二〇〇二年から駐日大使。