2006年1月13日(金)「しんぶん赤旗」
第24回共産党大会 討論から
連帯
社会的連帯で社会的反撃を――。日本共産党第二十四回大会二日目の十二日の討論では、平和と暮らしを破壊し、国民を分断する小泉・自公政治に対し、日本共産党員としての気概と誇りに満ちた代議員の発言が相次ぎ、涙と笑いで会場は一体となりました。(田中一郎)
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■壇上で掲げた「父の本棚の本」 〔米軍再編〕
最初の発言に立ったのは、在日米軍再編で米軍基地の強化が狙われている沖縄県の比嘉瑞己(みずき)さん(31)。昨年七月に那覇市議になったばかりです。
沖縄の祖国復帰後の一九七四年生まれ。太平洋戦争で捨て石にされた沖縄戦の実相を知り、「なぜ沖縄は祖国復帰したかったのか理解できなかった」といいます。そんなとき、復帰運動をたたかった党員の先輩から「憲法九条のもとに返るために沖縄の人たちは立ちあがったんだ」と聞かされ、心を動かされました。
比嘉さんが壇上で掲げたのが、復帰後に沖縄人民党と日本共産党が合流したときの党の理論政治誌『前衛』。父の本だなから持ってきたものです。会場から「ほー」という声。
「祖父の世代が伝えてくれた言葉に『命どぅ宝』(命こそ宝)があります。父や母の世代は『命どぅ宝』の思いのこもった憲法のもとに返ろうと本土復帰闘争をたたかった。今度はぼくらが、沖縄からも日本からも米軍基地をなくす世代になりたい。そのために強く大きな党をつくりたい」
大きな拍手が会場を包みました。
キャンプ座間への米陸軍新司令部の移転が狙われている神奈川県からは、徳丸拓志北部地区委員長(52)が発言しました。
地元の相模原市と座間市が、基地強化に対し反対に立ち上がってきた背景に、自治体が「反対」を打ち出していなかった時点から、日本共産党が、草の根で世論づくりに奮闘したことがあったことを詳しく紹介。「たたかえば、情勢は変えられる」と力を込めました。
■「戦争体験語る会」が大反響 〔靖国史観〕
小泉首相の靖国神社参拝や改憲の動きに反対して全国各地に広がる運動。その取り組みを生きいきと伝える発言も相次ぎました。
大阪府のある労働組合グループ責任者の星見陽さん(55)は、小中・高校、養護学校で、八十を超える職場九条の会がつくられてきたことを紹介。こうした取り組みが、「教え子を再び戦場に送らない」という教職員のエネルギーを総結集する場となっているだけでなく、職場を学び語る場にし、「人間的連帯の職場本来の姿」を取り戻す機会にもなっていることをのべました。
「現在八十歳と七カ月です」と力強く発言、会場をわかせたのが、鳥取市の日進支部長の西川肇さんです。昨年五月から戦争体験を語る会を開く取り組みを続けてきたことを発言しました。「加害者である日本が再び戦争をする国にしたくない」という思いで始めた会。一般紙でもとりあげられ、「私も話したい」「聞きたい」という人もあり大きな反響をよんでいます。背筋をピーンと伸ばして、「いかなる戦争も地球上から一掃するというのは、日本共産党の専売特許。この旗を高く掲げてたたかっていきたい」。
■決めゼリフ「君を楽にしたいんよ」 〔青年〕
いっそう深刻になる青年の実態を生々しく告発し、その中で党への共感、信頼を広げている発言も。
赤いフリースを着て登壇したのは千葉県・民青県グループの神部紅さん(23)です。駅頭でいい仕事があると誘われて手取り月五万円で「奴隷」のように働かされている青年。自分が必要とされている実感がなく、「お金で買えないものはない」と、援助交際に走り、自分を傷つける女子高校生らの実態を告発し声をつまらせました。「がんばれ」。会場から声がかかります。
神部さんは言葉を継ぎました。「あなたが悪いのではない。共産党と一緒に社会を変えよう」と訴えていると。共感の拍手が続きました。
和歌山県・福祉関係の職場支部の鈴木二郎さん(33)は、一年間で十人の青年党員を迎えた経験を発言しました。
小泉政権が強行した「自立支援」法に対し、一般紙がまともに真実を報道しないなか、その危険性を批判した論陣を張っていた「しんぶん赤旗」に、党の信頼が高まったことをのべました。青年たちに入党をすすめるときの「決めセリフ」が、「厳しい情勢でますます福祉切り捨て。絶対しんどくなる。国政を変えることを夢見て、ぼくらとぼちぼち運動したら、すっごく楽になるで。ぼくらは君を楽にしたいんよ」。
会場は爆笑でした。
■耐震偽装で住民の中に
神奈川県の佐野仁昭川崎市議(36)は大工出身。耐震偽装マンション被害者住民に飛び込み、生活再建のために奮闘するなかで、党への信頼をかちとってきた経験を発言しました。
偽装を見過ごしてしまった政治と政党の責任と、政府の再建策が無策であることを詳しく告発。マンション住民も、「自己責任」論の影響から遠慮してきた国への責任を求めるよう変わってきたことも紹介しながら、生活再建とともに建設職人が再び加害者にさせられないようにする大運動を呼びかけました。