2006年1月12日(木)「しんぶん赤旗」
米のアルジャジーラ爆撃計画疑惑
弁護側 “機密メモ存在”
英裁判所が予備審問へ
【ロンドン=岡崎衆史】カタールにある衛星テレビ・アルジャジーラ本社の爆撃計画をブッシュ米大統領がブレア英首相に伝えたとする疑惑で、疑惑のやり取りを記した米英首脳会談の機密メモを持ち出したとして告発された元政府職員らの弁護側は十日、機密メモの存在を確認。疑惑の信ぴょう性がますます強まりました。今後さらに内容の開示を求めていくとしています。
英治安判事裁判所は十日、機密メモを持ち出したことによる機密保護法違反容疑で、元内閣府職員のデービッド・キーオー氏と労働党議員(当時)の元調査員、レオ・オコーナー氏の予備審問に入ることを明らかにしました。中央刑事裁判所で二十四日に行われます。
英紙ミラー昨年十一月二十二日付は、ブッシュ大統領が二〇〇四年四月十六日の米英首脳会談で、ブレア首相にアルジャジーラ爆撃計画を伝えたと報じました。アルジャジーラは十日、「過去の米軍によるアルジャジーラ攻撃が事故だとの米国の主張に新たな疑問が生じている」と報じています。
米軍は〇一年十一月、アフガニスタンの首都カブールのアルジャジーラ事務所を爆撃。〇三年四月には、イラクのバグダッドにあるアルジャジーラ事務所を爆撃し、タリク・アユーブ特派員を殺害しています。ブッシュ氏の発言が事実とすれば、これらの爆撃が、意図的だった可能性が強まります。
米英首脳会談当時、米国はイラク中部のファルージャに大規模な攻撃を実施。欧米メディアが米軍側から報道する中、アルジャジーラはファルージャの住民側から被害実態を伝えていました。