2006年1月12日(木)「しんぶん赤旗」
米政権 5つの犯罪
イラク戦・環境破壊・被災の対応…
民間国際委が告発状
【ワシントン=山崎伸治】「ブッシュ政権が犯した人道に対する罪を問う国際委員会」は十日、ブッシュ大統領とゴンザレス司法長官に対する五項目にわたる告発状を明らかにしました。
国際委員会は、昨年六月にトルコのイスタンブールで開かれた「イラク世界民衆法廷」を受け、ブッシュ政権の犯したより幅広い罪を米国内で裁こうと、昨年夏に組織されました。第一回の法廷が昨年十月、ニューヨークで開かれ、歴史家のハワード・ジン氏、アブグレイブ収容所の被収容者の弁護人マイケル・ラトナー氏、元米外交官のアン・ライト氏らが証言しました。
告発状はそれにもとづくもの。(1)イラク、アフガニスタンに対する侵略戦争(2)拷問と無期限の拘束(3)地球環境の破壊(4)地球的規模の人々の健康と生殖にかかわる権利への攻撃(5)ハリケーン・カトリーナ被災への不十分な対応―の五項目の罪をあげています。
十日、ホワイトハウス前で記者会見した国際委員会の組織者の一人、作家・ジャーナリストのラリー・エベレストさんは第二回の法廷を二十―二十二日、ニューヨークで開くとのべ、「これに対抗するというのであれば、政府に対し、この法廷に証拠を提出し、証人を出席させるよう求める」と表明しました。
元米中央情報局(CIA)分析官のレイ・マクガバンさんは「一九三〇年代のベルリンでは自由に集会を開いて、声を上げることはできなかった。われわれにはまだその自由がある。その自由を活用するのはわれわれ次第だ」とのべました。
このあとホワイトハウスに告発状を手渡そうとしましたが、受け取りを拒否され、別途郵送で届けました。国際委員会は第二回の法廷の結果をまとめ、一般教書演説が行われる三十一日にホワイトハウスに提出する予定です。