2006年1月12日(木)「しんぶん赤旗」
末期医療で「在宅支援診療所」
厚労省が06年度診療報酬改定案
厚生労働省は十一日、二○○六年度診療報酬改定案を中央社会保険医療協議会(中医協)に提示しました。高齢者が在宅で末期医療を受けられるようにするという二十四時間態勢の「在宅療養支援診療所」(仮称)の新設などを盛り込んでいます。中医協は今後、改定案に対するパブリックコメントを実施した上、個別の診療行為ごとの診療報酬を決定します。
在宅療養支援診療所は二十四時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名を文書で患者の家族に提供しているなどの条件を整えた診療所。
対象となる診療所には、新たに往診や訪問看護料が加算されるほか、在宅末期医療総合診療料が支払われます。病院での末期医療に医療費がかかりすぎるとして、在宅医療の推進で医療費抑制するのがねらい。
また改定案によると、外来患者の初診料を病院で引き上げる一方、診療所では引き下げ、報酬格差の是正を求めています。慢性期の入院医療(療養病棟)では、医療の必要性の高い患者は看護職員の増員を条件に報酬を引き上げ、低い患者は引き下げることを提案。長期入院の高齢患者を締め出していく方向を打ち出しました。
さらに診療所などからの紹介なしに大病院(二百床以上)の外来を受診した場合の自費負担(初診料の保険外負担)を大幅に引き上げるとしました。この自費負担の拡大には委員から反対の声が相次ぎました。