2006年1月12日(木)「しんぶん赤旗」
歴史的転機の情勢 日本共産党24回大会始まる
国民中心の新しい日本へ力つくそう
情勢とらえる視野ひらいた党綱領
日本共産党第二十四回大会が十一日、静岡県熱海市の伊豆学習会館で始まりました。十四日まで四日間の日程です。新しい綱領を確定して初めての党大会となり、歴史的転機の情勢のなか内外の注目を集めています。
■不破議長が開会あいさつ
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「アジアや中南米の新しい流れなど、綱領が示したように世界が動いていることが決議案には書いてあって感動した。全国の発言が聞けると思うと、わくわくする」(二十二歳の女性代議員)など、会場は全国から集まった千人を超える代議員、評議員の熱気にあふれました。
不破哲三議長が、開会あいさつに立ち、海外からの各政党・在日の外交団の代表を紹介。前大会以降二年間に亡くなった全国の党員七千三百九十六人を追悼し、大会参加者全員で黙とうしました。
不破氏は「新しい党綱領は党に新しい視野と新しい活力を与えた」とのべ、「日本の前途を長期の展望をもって照らし出す科学的な羅針盤」「世界の構造的な変化と新しい発展の流れを解明する指針」という二点を強調。「大会決議案」の決定と党中央委員会の選出という大会の二つの任務を立派に果たそうと呼びかけました。
大会の成立を確認した上で、大会幹部団、資格審査委員会、役員選考委員会、役員選挙管理委員会を選出し、議事日程を決定しました。
志位和夫委員長が、約三時間にわたって、決議案について中央委員会報告。会場では、熱心にメモをとる姿が目立ちました。
一日目の議事の最後に、五人の代議員が発言しました。
■志位委員長が報告
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志位委員長は大会決議案の章ごとに、全党討論をふまえて解明が必要な問題、情勢の進展にそくして補強すべき問題などを中心に報告しました。
自民党政治の三つの異常な特質を解明した第一章では、小泉首相の靖国神社参拝について「日本の国策として固定されるなら、日本の国益の損失ははかりしれない」との決議案の警告が現実のものになりつつある危険性を指摘しました。
そのうえで侵略戦争の正当化は、日米関係での従属問題とは性格が違う、戦後世界の秩序の土台にかかわる問題であり、侵略戦争を正当化する行動は、国際秩序の土台にまっこうから反するものであることを解明。この問題をめぐる日米間の矛盾の背景には、戦犯的体質を今日まで受け継いでいる自民党政治の異常の根深さがあると告発しました。
アメリカいいなり政治の問題では、焦点となっている「米軍再編」と憲法改悪反対のたたかいについて報告。憲法闘争が二十一世紀の日本の進路、世界とアジアの平和秩序にもかかわる歴史的闘争だとして党の存在意義をかけて総力をあげることをよびかけると、参加者は大きな拍手でこたえました。
大企業中心主義の異常の問題では、貧困と社会的格差の新たな広がりについて詳述しました。志位氏は、小泉内閣の経済路線を「新自由主義」と特徴づけた意味について、その源流が、レーガン政権以来のアメリカなどにあり、日本におしつけるなかで形成されてきた国際的由来を端的にしめすことができる、などからだと指摘。国民分断をはかる「小泉改革」にたいしだれもが人間らしく生きることができる日本をめざし、「社会的連帯で社会的反撃を」とよびかけました。
第二章では、新しい綱領を踏まえて今日のアメリカ論を展開。アメリカが東アジア諸国にたいし軍事的関与の政策を放棄したわけではないが、そのアメリカも軍事一本やりでは対応できなくなり、外交戦略も複眼的対応をせざるをえなくなっていること、その根本に世界の構造変化があることを解明しました。そして、世界で「平和秩序」「経済秩序」の両面で進歩の流れがおきているとして、東アジア、南米の動きを生き生きと紹介しました。
選挙方針をのべた第三章では「決議案全体がこの間の三回の国政選挙の教訓を踏まえ、きたるべき全国選挙をたたかう方針を形づくっている」と強調。全党討論で出された「他党派との共同をどう考えるか」との質問にも詳しく答えながら、統一戦線の展望を語りました。
第四章・第五章では、党建設を本格的前進の軌道にのせるうえで、党の指導と活動の弱点にも大胆に目を向け、打開の方向を提起しました。「すべての支部が『政策と計画』をもって自覚的に草の根で国民との結びつきを広げる活動にとりくめば、どんな逆風がふいてもそれを打ち破って前進できる素晴らしい力となることは疑いない」と強調。「ここに確信をもって一九六〇年代の党躍進の時期に匹敵する、新たな党躍進の波をおこそう」とよびかけると、会場は大きな拍手に包まれました。