2006年1月9日(月)「しんぶん赤旗」

「数週間で正式政府」

イラク大統領が見通し


 【カイロ=小泉大介】イラク移行政府のタラバニ大統領は七日、十二月に実施された国民議会選挙の結果を受けた正式政府発足に関し、今後数週間で可能だとの見通しを示しました。イラクを訪れたストロー英外相との会談後の会見で表明しました。

 同大統領は「われわれ(各政治勢力)は挙国一致政府の樹立で原則的に合意している。細部をめぐる不一致が残っているが、数週間内に政府が樹立できると考えている」と述べました。

 タラバニ大統領らクルド人指導部は年末から年始にかけ、イスラム教シーア派勢力や同スンニ派勢力と連立に向けた協議を断続的に実施。これを受け、スンニ派政党連合の「イラク合意戦線」幹部も大連立の必要性を表明しました。

 シーア派のジャファリ首相は七日、昨年一月末の暫定国民議会選挙から移行政府発足まで三カ月以上かかったのに比べて、正式政府樹立は「はるかに容易だ」と強調しました。

 一方イラクでは年明け以降も武装勢力の攻撃やテロが止まらず、四日、五日の二日間だけで二百人近くのイラク人と十一人の米兵が死亡しました。国民議会選挙の結果も不正問題をめぐる混乱からいまだ判明していません。仮に数日の間に大勢が判明しても、異議申立期間を設ける必要から議席の最終確定は今月末となり、新政府樹立は早くても二月中旬以降になるとの見方が出ています。


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