2006年1月7日(土)「しんぶん赤旗」
除雪予算尽きた
自治体“国は支援を”
12月以降 雪での死者53人
日本列島上空に流れ込んだ氷点下四〇度前後の寒気の影響による記録的大雪で、十二月以降の死者は全国で五十三人、重軽傷七百六十人(消防庁調べ、六日午前九時現在)という大きな被害に。雪は六日も降り続き、新潟県は同日、県内五市町に災害救助法を適用しました。住民は除雪対策に頭を痛めていますが、除雪対策予算をすでに使いきった自治体が多く、予備費の投入でもまかないきれない深刻な事態になっています。
山形県市長会は「豪雪による道路の除雪費が増し、地方自治体の財政運営に重大な支障となっている」として、五日付で市道の除雪費への臨時国庫補助などを求める要望書を政府に出しました。
山形市は、除雪費の予算三億三千五百万円をすでに使い果たし、臨時議会で補正予算を組むことを決めました。同市では、積雪一〇センチ超で除雪車二百五十台を出動させる一回の除雪に約五千万円かかるといいます。
市道路維持課の担当者は「十二月は例年積もるほどは降らないが、ことしは間断なく降り続いた。ことしはどの市町村も同じだと思うが市町村独自の予算では厳しい」と語ります。
山形県新庄市も、除雪費の予算一億五千万円のうち一億一千二百万円をすでに執行。「なくなるのは時間の問題。当面は予備費を投入するしかないが、支援がないときつい。ことしの雪は災害に近いものだし、どれぐらい降るかわからないので状況が読めない」(同市都市整備課)といいます。
積雪量八〇センチを記録した秋田県男鹿市では除雪費の当初予算六千五百万円をほぼ使い果たしました。
同市では一回の除雪に約五十台の除雪車が出動し、費用は一回当たり四百万―五百万円。除雪車を二十四時間フル稼働しても除雪車にも数に限りがあり、小さい路地は回りきれないのが実態。除雪を要望する市民の対応に追われています。
建設課は「十二月からこんな大雪が降ったのは経験がない。除雪費予算は例年の数倍の規模で必要になるだろう」と話しています。秋田県も十二月末までの除雪費は例年四億―六億円程度ですが、今年はすでに十二億円使っているといいます。
|
■豪雪の山形・寒河江市
■共産党議員が奔走
六日、市街地での積雪一メートル超という三十六年ぶりの豪雪を記録した山形県寒河江(さがえ)市では、日本共産党市議会議員団の遠藤聖作(団長)、松田孝、佐藤よう子の各市議が市内の被害状況を見てまわり、住民の要望に耳を傾けています。
党議員団は、年末の二十六日と今月四日に豪雪被害への対策を急ぐよう市長と助役に申し入れました。すでに除雪などに費やした費用は前年度約一億円の予算額に達する見通しで、対策費用の増額や身障者・高齢者宅の雪かき支援などを急ぐよう提案しています。市長は、先決問題として雪害対策に取り組むことを市議団に回答しています。
雪かき作業をする木村源八さん(88)は、「除雪対策にがんばってもらいたい」と市議団に期待を寄せます。
■災害救助法適用拡大を申し入れ
■高橋議員
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は六日、厚生労働省が新潟県十日町市など六市町に災害救助法を適用したことを受け、必要なところにさらに同法の適用を広げるよう、申し入れました。厚生労働省社会援護局の吉元信治救助係長は「今後さらに適用を広げていくことを前向きに考えている」と答えました。