2006年1月6日(金)「しんぶん赤旗」
通勤途中に…“怖い”
米兵の女性殺害
“身柄を日本に”
横須賀 周辺住民「またか」
米空母キティホーク乗組員による日本人女性殺害事件が起きた現場は、神奈川県横須賀市の京浜急行・横須賀中央駅に近い商店街「米が浜通」の雑居ビルでした。周辺の住民からは「またか」「米兵であっても日本で起こした犯罪なんだから、早く容疑者を日本に渡し、国内法で対処してほしい」という声があがっています。
現場は横須賀中央駅から徒歩五分。飲食店などが並ぶ駅前商店街と並行する裏通りに面した雑居ビル入り口の踊り場でした。踊り場は縦横それぞれ二・五メートルにも満たない狭さ。
住民によると、被害者の女性は、顔面などをかなり殴られた状態で倒れ、血が流れていました。現場周辺では、数年から十数年前にも男性が米兵に殴られけがを負う暴行事件があったといいます。
現場前のマンションに住む会社員の男性(28)は米兵の関与について「また、ですか。こういうことがあると、『だからアメリカは』と思う」と悔しそうに話します。
現場の雑居ビルの管理人である今村信夫さん(56)は、事件について「あんな殺され方をされて被害者はとても残念だと思う」。現場を毎日通る女性(63)は「仕事が終わるのは深夜零時すぎです。歩くのも怖くなる」と話しました。
夕方、現場近くを通りかかった男性(70)は「被害を受けた方は、近所の人なんです。通勤の途中だったというし、犯人は米兵だから日本に身柄を引き渡すべきです」。自営業の男性(71)は「こういう事件が起きて怖い。ここは、小泉さん(首相)の地元なんだから、こういうときこそ、しっかり対処してほしい」と語っていました。
横須賀民主商工会の富塚昇会長(56)は、「事件が起きた通りは市内有数の商店街。そんな場所で強盗殺人事件が起きたことは恐ろしさとともに怒りを感じる。東京で起きた米兵のひき逃げ事件のように日米地位協定を持ち出し、事件をうやむやにすることは絶対許せない。日本政府も警察もきぜんとした対応をとるべきです」と話しました。
■安保破棄中実委
■抗議の談話
安保破棄中央実行委員会は五日、「米兵による殺人犯罪を糾弾する」との早坂義郎事務局長の抗議談話を出しました。
談話は「日本人女性が犠牲になる事件がくりかえされることに強い怒りを禁じえない」とのべ、「基地被害に反対する運動がひろがっているなか、あらためて米軍基地の危険を浮き彫りにするもの」だと批判。米兵の引き渡しと日本側による厳正な捜査と処罰、遺族への謝罪・補償、再発防止を求めるとともに、日米地位協定の抜本的な改定と米軍基地の撤去を要求しています。