2006年1月6日(金)「しんぶん赤旗」

米軍の一部削減へ

イラク

国民の批判高まりで　大統領が表明

　【ワシントン＝山崎伸治】ブッシュ米大統領は四日、国防総省で、イラク駐留米軍の規模を昨年十二月の国民議会選挙前の十三万八千人に戻し、さらに数千人減らすとの見通しを示しました。「対テロ戦争」の現状に関しラムズフェルド国防長官、ペース統合参謀本部議長から説明を受けた後、記者団に語りました。

　米軍は選挙の「治安確保」のため、一部部隊の交代を遅らせる形で、現在十六万人をイラクに駐留させています。

　撤退は部分的にすぎません。今回の発言は、駐留長期化をめぐる米国民への批判がこれ以上高まることを懸念したためとみられます。

　ブッシュ氏は、「この決定は現場の状況や司令官の助言に基づき、ワシントンの誤った政治的な予定表によるものではない」と強調。撤退の「予定表」を示すことを重ねて否定しました。

　アフガニスタンに関しては、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）主導の国際治安援助部隊九千人が駐留し、さらに六千人が増派される予定だと指摘。それに伴い年内に駐留米軍を現在の一万九千人から一万六千五百人規模に削減すると述べました。