2006年1月3日(火)「しんぶん赤旗」
小泉「改革」で格差拡大
「朝まで生テレビ」
小池政策委員長が批判
日本共産党の小池晃参院議員は一日未明放送のテレビ朝日系「朝まで生テレビ」に出演し、格差の拡大、イラク戦争などについて与野党の国会議員らと討論しました。
冒頭、司会の田原総一朗氏に「二〇〇五年はどういう年だったか」と問われ、小池氏がボードに書きこんだ言葉は「格差」。「国内政治で、新自由主義的な競争体質の社会をつくったことで、社会的格差がどんどん広がっている」とのべ、最近出たOECD(経済協力開発機構)の統計で、日本の貧困率が世界で第五位になっていることを紹介。「若い世代のなかで、非正規雇用、派遣、パート、フリーターが拡大するなかで、所得の格差が広がり、希望の格差まで開いている」とのべ、「これは自然現象ではなく、(労働法制改悪など)この間の小泉『改革』の結果だ」と強調しました。
■大企業には減税
格差の拡大問題は、その後の番組の中でも討論になりました。小池氏は、小泉内閣が所得税、住民税の定率減税を廃止する一方、「大企業、高額所得者への減税にはまったく手をつけないことは、逆に格差を拡大するものだ」と批判しました。
番組ではまた、アメリカのブッシュ大統領がイラク戦争の理由としていた大量破壊兵器の存在を否定したことをめぐり、イラク戦争と、それを支持した日本政府の姿勢が議論になりました。
■開戦論理破たん
小池氏は「完全に開戦の論理が破たんしたのに、真っ先に参戦を支持した日本が、そのことについて何の説明もしていないことは本当に重大だ」と批判。これに対し、自民党の山本一太参院議員は「あの時点で日本の国益を考えたら、小泉総理がブッシュ大統領の立場を支持したのは間違いではなかった」と言い訳しました。
小池氏は、「小泉首相は、(イラクに)大量破壊兵器があるといって支持した。だったらきちんと説明するべきだ」と指摘。司会の田原氏も「ブッシュ(大統領)が謝ったのに、それに対し、小泉さんが何にもコメントしないのはおかしいじゃないか」とのべました。
自民党の平沢勝栄衆院議員は「(首相の)コメントは短いフレーズでやっても良かった」とのべ、小池氏の指摘を認めざるをえませんでした。
最後に番組が視聴者向けに実施したアンケート結果が紹介され、「小泉政治は日本を幸せにしたと思いますか」の問いに「NO」が60%で、「YES」の30%の二倍となりました。「NO」の理由で多かったのは「弱者に冷たい社会になった」「小泉外交に不満」でした。