2005年12月29日(木)「しんぶん赤旗」
“教訓生かされてない”
余部事故から19年 遺族ら「慰霊祭」
兵庫
一九八六年に起きたJR山陰線余部鉄橋の列車転落事故から十九年の二十八日、兵庫県香美町の事故現場で「慰霊祭」がおこなわれ、遺族ら約五十人が参加しました。
吹雪のなか、遺族会の岡本倫明会長があいさつ。「百七人の死者と多くの負傷者を出した福知山線の脱線事故に続いて、また羽越線の事故が起きてしまいました。今回の事故を見ますと、余部事故の教訓が生かされていません。大惨事にならないよう、事故を起こさない対策をJRに望みたい」と語りました。
参加者は、六人の犠牲者に黙とうを捧げ、僧侶の読経のなか、焼香をおこないました。
山陰線を運転していた元JR運転士の仲義満さん(60)は「再び重大な事故が起き、JR西だけでなく全国的に安全面で問題があることが明らかになった。乗客に安心して乗っていただくために、JRは安全対策の見直しを徹底すべきだ」と話していました。