2005年12月29日(木)「しんぶん赤旗」
下院副議長が派兵延長批判
ポーランド
【モスクワ=田川実】ポーランド政府がイラク派兵の一年延長を決めたことについて、同国の極右政党「自衛」の党首、レッペル下院副議長は二十七日、「世論をだました。与党・法と公正は選挙時に、撤退を公言していた」と批判しました。
「今後もイラク占領に参加することは、ポーランドに否定的影響しかもたらさないだろう」「政府はなぜさらに一年駐留を続けるのか明確に説明すべきだ」などと述べました。ロシアの通信社に対し語りました。
■ポーランド派兵を延長
【ベルリン=片岡正明】ポーランドのマルチンキエビッツ首相は二十七日、内閣としてイラク派兵の延長を決め、カチンスキ大統領に承認を求めたことを明らかにしました。
ポーランドは現在約千四百人の部隊をイラクに派遣しています。しかしこれまでに十七人のポーランド兵が死亡し、イラク選挙後にブルガリアやウクライナなどが撤退する中で世論のイラク派兵反対は約60%前後と派兵中止の圧力は強まっていました。
マルチンキエビッツ首相は「難しい決断だった」と語りました。同首相とカチンスキ大統領は同じ保守政党「法と正義」の出身者で、同大統領がイラク派兵延長を承認するのは確実とみられます。
九月の選挙後発足したポーランド政府は米国に対し、経費負担など条件があえば「派兵延期をする」と表明。ポーランド外相が今月、ワシントンで協議をしたばかりでした。ポーランドは来年の三月には、派遣兵員を九百人に削減します。