2005年12月27日(火)「しんぶん赤旗」

事故直後いち早く現場へ

毛布かけ「がんばれ」


■日本共産党 日下部勇一・庄内町議

 JR羽越線列車脱線転覆事故現場の近くに住み、事故直後いち早く現場にかけつけて救援活動に参加した日本共産党の日下部勇一庄内町議に事故直後の様子などを聞きました。

 「列車事故が起きたようだ。道路の除雪が悪く救急車もうまく走れない」。事故後三十分もしないうちに、私の家の電話がなりました。事故現場のすぐ近くに住んでいる人からです。

 私は心臓が悪く、九月には心筋梗塞(こうそく)で入院もしていましたが、消防団のはっぴを着込んですぐ飛び出しました。酒田地区広域消防組合の庄内町代表議員を十年も務めて、真っ先に現場に駆けつける立場です。

 雷がとどろき、強い風とみぞれがまじる悪天候でした。現場につくと電車が土手から落ち、ひしゃげたそのあまりの光景にショックを受けました。「これはたいへんな事故だぞ。けが人も相当出ているに違いない」と気をひきしめました。

 やっと投光器がつき、レスキュー隊がつぶれた先頭車両の救出作業を始めたばかり。転覆を免れた土手の上の暗い車両からは乗客がはしごをつたって降り始めました。

 強い風の中、顔から血を流した人もいて、みな青ざめた顔をして無言でした。私は「気をつけて。ゆっくり降りれ」などと声をかけました。

 尼崎の事故が頭によぎり、「死者がでないように」と念じながら見守りました。

 乗客のなかには妊婦さんもいました。ショックのためかおなかが痛いと聞いたので、運んだ毛布で急いで体をくるみ「がんばれよ」と声をかけました。ものすごい風と寒さの中でしたが、「けがした人を一刻も早く搬送したい」それだけを念じて頑張りました。

 現場は冬になればしょっちゅう電車が立ち往生するような風の強いところ。今後は再発防止のための対策を関係機関に強く求めていきたい。


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