2005年12月24日(土)「しんぶん赤旗」
私服で反戦集会調査
NY市警
■米紙告発
【ワシントン=山崎伸治】二十二日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、ニューヨーク市警の警察官が過去十六カ月間にわたり、私服で身分を隠して市内の反戦集会などに参加し、調査を行っていたと報じました。
同市警によるこうした活動に批判的な犯罪ビデオ分析家が、記録ビデオを同紙に提供して明らかにしたもの。記録された二〇〇四年八月以来、七カ所の集会に少なくとも十人の警察官が参加していたといいます。
同紙によると、〇一年九月の同時多発テロ事件までは、警察が秘密調査を行う権限は厳しく限定されていました。ところが翌年、ニューヨーク市が、政治・社会・宗教団体の調査を行えるよう警察の権限強化を裁判所に要求。政治活動に対する調査権限が拡大されました。
私服警官が反戦集会でプラカードを掲げ、活動家の追悼集会で花をささげるなど、参加者の一員として振る舞っていたといいます。
ビデオの一つには、調査活動中の私服警官が警備にあたっていた警官に逮捕され、私服警官が「私は仕事中だ」といい、別の警官が「彼はスパイだよ」と説明する様子が記録されています。
同紙の取材に対し、ニューヨーク市警の報道官は、「身分を隠した警察官はいつもそうした集会に参加している」と認めたうえで、「政治活動を調査するためではなく、秩序を維持し、言論の自由を守るためだ」などと弁解しています。