2005年12月21日(水)「しんぶん赤旗」

中東を非核地帯に

湾岸首脳会議が呼びかけ


 【カイロ=小泉大介】アラブ首長国連邦の首都アブダビで十八日から開催されていた湾岸協力会議(GCC、六カ国が加盟)の定期首脳会議は十九日、中東の非核地帯化を呼びかける声明を採択して閉幕しました。

 声明は「湾岸を含む中東を大量破壊兵器のない地域にする」よう提案。核保有国とされるイスラエルに対し、「核不拡散条約(NPT)に加盟し、国際原子力機関(IAEA)の査察のために核施設を開放するよう求める」としています。

 当初、声明がイランの核開発問題への懸念を表明すると予想されましたが、同国を名指しした表現は盛り込まれませんでした。これに関しロイター通信は当局者の話として、イランの孤立化を避け外交的解決の余地を残すためだと伝えました。

 GCCのアティーヤ事務局長は十八日、国連安保理常任理事国がイスラエルの核査察に向けイニシアチブを発揮するよう求めるとともに、イランの核開発問題に関して、「イランが理性的であることを期待する。隣国に損害を与えない平和利用に限られることを望む」と語りました。

 声明はパレスチナ問題で、イスラエルの占領地からの撤退とエルサレムを首都とするパレスチナ独立国家樹立を要求。イラク問題では国民議会選挙の「結果が領土的統一と安定に向けたイラクの歴史の新たな一ページとなるよう望む」と表明。民間人を標的としたテロ行為を非難しています。

 GCCは、イラン・イラク戦争開戦翌年の一九八一年に設立。アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアが加盟し、各国間の緊密な協力を前提に、軍事、経済、文化、情報など各分野での共通制度創設を目的としています。


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