2005年12月19日(月)「しんぶん赤旗」
診療報酬 3・16%下げ
政府決定 過去最大のマイナス
政府は十八日、医療機関や調剤薬局に公的保険から支払われる診療報酬を二○○六年四月から全体で3・16%引き下げることを決めました。○二年度のマイナス2・7%を上回る過去最大の下げ幅となります。調整が難航していた診療報酬本体(医療サービスの公定価格、医師の技術料など)はマイナス1・36%で決着しました。すでに固まっていた薬価・医療材料は同1・8%。本体部分の引き下げは、○二年度の同1・3%以来となります。
3・16%の報酬引き下げで、政府は約二千三百七十億円の国庫負担の削減効果を見込んでいます。
診療報酬の改定率をめぐっては、○六年度予算編成で、社会保障関係費の大幅圧縮を目指す財務省が4%近い引き下げを主張、3%程度としたい厚労省との間で調整が続いていました。最終的に○二年度の同1・3%を超えるようにとの小泉純一郎首相の意向を踏まえ、安倍晋三官房長官の裁定で決着しました。
診療報酬引き下げは、医療費抑制に直結し、3・16%マイナスは約一兆円の医療費を減らすことになります。このため、医療サービスの切り下げ、報酬支払方法の変更(包括定額払いの拡大)、患者の新たな保険外負担などの検討につながります。一方、病院、診療所にとっては収入減をまねき、労働条件、雇用環境の悪化にともなう医療安全への影響を心配する声が上がっています。