2005年12月19日(月)「しんぶん赤旗」

主張

民主党大会

ますます自民党に似てくる


 民主党の定期大会(十六、十七日)は、「党再生を果たし、政権に再挑戦する」と題した二〇〇六年度活動方針を決めました。その冒頭には、「『提案』『対案』路線で…本物の改革を競うとともに…“たたかう政党”へと生まれ変わり、攻勢に打って出ます」と書いてあります。

 “たたかう政党”といっても、相手は誰なのでしょう。

 小泉首相や自民党からの「大連立」の話に、「99・99%ない」と答える前原代表。残り0・01%はどうなのか?「集団的自衛権の行使のために憲法改正を」などの前原発言も、小泉首相と一致する内容です。ますます自民党と似てきています。

■同じ土俵での「提案」

 前原氏は、大会で、提案・対案路線の重要性を強調し、「政権をとった時には、どういう政策で、どういう対応をしていくのかということを示し続ける」と語りました。

 政権担当能力を示す狙いですが、「政権をとったつもり」になって野党性を失えば、自民党と“同じ土俵で相撲をとる”ことになります。

 現に、民主党は、岡田・前代表のとき、“野党とは言わない。「政権準備政党」だ。「反自民」の考えから脱却する”と、脱野党宣言をしました。「二大政党」といいながら、実質的には「オール与党」化です。

 前原代表になって最初の「提案・対案」は、「郵政改革法案」の提出でした。内容をみると、基本方向は政府案と同じで、民営化の性急さに差がある程度のものでした。

 「官から民へ」「小さな政府」「日米同盟強化」―こうした基本路線で、小泉自民党も民主党も一致しています。政治の根本を問わずに、やり方についての「提案・対案」は、小泉政治を加速するだけです。

 そのため、民主党大会で来賓あいさつをした高木・連合会長も、「対案路線だけは、ほどほどに」と注文をつけたほどです。自分たちは「民主党の応援団」だといいつつ、「親しき仲にも礼儀あり」だとも述べました。労働組合を「抵抗勢力」視して一方的な公務員攻撃をするのは「礼儀」を欠くと言いたいようです。

 前原氏がそうした声に応える気配は、ありません。訪米、訪中時の発言に大会代議員から批判が出たのにたいしても、「党を私の意見の方向性に導いていく」と強気です。

 「中国が経済的にも軍事的にも力をつけてきている」のは「現実的脅威」。「シーレーン防衛は死活的に重要」で「一千カイリ以遠をアメリカに頼っているが、日本も責任を負うべきだ。これを可能にするには、憲法の改正と…自衛隊による活動および能力の拡大が必要」(米戦略国際問題研究所での講演、八日)

 この前原発言について、小泉首相は、「前原代表は前から憲法改正論者だったから、その点はやはり自民党と協力できる」とのべています。憲法の平和原則を捨て、再び、軍事力にものをいわせようとする点で一致しています。それが「大連立」の話につながっていますが、戦時中の「翼賛体制」を再現するようなものです。

■国民の願いと離れている

 “戦争好き”の指導者は、平和と社会の安全を破壊します。耐震偽装問題に示されるように、民間企業のもうけ第一主義へのチェック、歯止めをはずせば、国民は生命の危険にさらされます。多くの国民が、そのことに目をむけ、平和とくらし、社会の安全を守るためにどうするのかを、真剣に考えています。

 前原・民主党がめざす方向は、国民の願いとかけ離れています。


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