2005年12月15日(木)「しんぶん赤旗」
食の安全 輸入国が懇談
香港で紙・高橋議員ら
【香港=中沢睦夫】日本共産党の紙智子参院議員と高橋千鶴子衆院議員は中国・香港で十三、十四の両日、食料輸入国・地域としての問題をかかえるスイス、韓国、欧州連合(EU)の議員と交流しました。世界貿易機関(WTO)閣僚会議にあたっての国会超党派での行動です。
スイスのギュンター議員は、中国が急速な都市化や工業化で農地が減少している実態にふれ食料主権問題に言及。「WTOは現在のことだけでなく将来の食料安全保障を考えているのか」と述べ、貿易利益優先では世界的な食料不安が生まれることを指摘しました。
高橋議員は、日本がカロリーベースで自給率四割に低下したことを紹介し、「国会は国民合意を進める役割をどう果たしているのか」と、自給率を向上させてきたスイスでのとりくみについて質問しました。ギュンター氏は、「農業は生産だけでなく、国土保全や農村での民宿業など多面的機能を果たしている。国民福祉のため支援が必要だ」と強調しました。
韓国の議員との懇談では、コメ以外の作物が急速に輸入が増え、コメも市場開放圧力に苦しんでいる実態が出ました。紙議員が「農産物貿易ではWTOは不公平であり、自給率向上の対策が必要だ」と呼びかけました。
EUの議員は「米国は輸出補助金廃止の具体的提案を言わないで、われわれにだけ譲歩を提起してくる」と米国の対応を批判しました。