2005年12月14日(水)「しんぶん赤旗」
南京大虐殺68周年式典開く
悲劇の再現許さない
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【南京(中国江蘇省)=菊池敏也】一九三七年十二月の日本軍による南京大虐殺事件から六十八周年にあたり、南京市江東門の南京大虐殺記念館では十三日、約千人が参加して記念式典が開かれました。記念館の外でも、式典を見守る多くの市民の姿がありました。
式典では、黙とうと同時にサイレンが鳴らされ、犠牲者への哀悼が示されました。中国共産党江蘇省委員会の任彦申副書記が演説し、日本軍の無数の暴虐のなかでも南京大虐殺は「最も残虐で、最も突出し、最も代表的な例だ」と指摘。この歴史を今日、振り返るのは、「永遠に悲劇の再現を許さず、日本の一握りの右翼勢力が歴史を否定し、軍国主義の道を再び歩もうとする企てを暴露、批判するためだ」と述べました。
次いで市民代表が、「人類の平和、進歩、美しい未来をともにつくろう」とする「南京平和宣言」を朗読しました。
ボランティアとして式典に参加していた大学一年の董莉さんは、「小泉首相が靖国神社に参拝するのは日本の中国侵略を正当化するもので正しくない」と話しました。
董さんらボランティアの学生は、来場者に平和のハトの形をした用紙を配り、平和への願いなど思い思いの言葉を書いてもらい、大きな青色のボードに張り付けました。
式典に続き南京大虐殺記念館の拡張工事の起工式が行われました。拡張部分の土地面積は約五ヘクタール、建物面積は約二万平方メートル。中国政府が約五億元(約七十五億円)を投じて建設します。