2005年12月13日(火)「しんぶん赤旗」
イラク米軍
「白リン弾」で無差別攻撃
民間人犠牲 仁比議員追及 外相“作戦は必要”
日本共産党の仁比聡平参院議員は十二日、参院イラク・有事法制特別委員会で政府が自衛隊のイラク派兵延長を決定(八日)したことを強く批判しました。
仁比氏は、昨年十一月の米軍によるイラク・ファルージャでの「掃討作戦」で二千五百度もの高温で百五十メートルの範囲で人も動物も焼き尽くす「白リン弾」の使用が最近明らかになったことを指摘。「白リン弾は迫撃砲で市内に撃ち込まれ、住民は炎の雨が降ってきたと証言している。このような攻撃を行えば多数の民間人が犠牲になるのは明らかだ。ジュネーブ条約で禁じられた無差別攻撃にほかならない」と指摘しました。
麻生太郎外相は「米国政府は民間人を攻撃の対象としたことはないと説明している。白リン弾は通常の武器で非合法ではない」「掃討作戦は治安維持のために必要だ」などと答弁。仁比氏は、乳児が犠牲になった写真を掲げながら、「実際に罪のない民間人が犠牲になっている。日本政府は検証もせずに米国政府発表の言うがままだ」と批判しました。
仁比氏は、小泉首相がイラクからの陸上自衛隊撤退後も航空自衛隊による輸送業務の継続を「検討していきたい」(八日、日本共産党の志位委員長との党首会談)と述べたと指摘。「政府はイラク派遣の目的は『人道復興支援』が中心だと説明してきたが、陸自撤退後に米軍支援のための空自を残すのであれば、従来の政府方針にも合わない」と批判しました。
仁比氏は「日本政府は米国の無法行為を追認し、有志連合参加国が次々と撤退を決める状況下でも、米国を支え続けるためにどこまでも米国についていこうとしている」と指摘し、自衛隊のすみやかな撤退を求めました。