2005年12月11日(日)「しんぶん赤旗」

9条の国に根をはって

できることから行動

さいたま市 本太・元町・駒場9条の会


 さいたま市浦和区内の中学校区単位でつくる「さいたま市九条の会(本太=もとぶと・元町・駒場地域)」は結成から一年を迎えました。地域有権者約一万二千人の過半数、六千人以上の「九条の会アピール」賛同者を集めることが目標です。現在約六百人の賛同署名をもう一回り広げる、これがいまの「会」の課題です。つながりを生かし口コミで会員を広げることを重視し、誰もが「九条を守ろう」の思いを語る活動を心がけてきました。(埼玉県・川嶋猛)


 四日に開いた「一周年のつどい」では、「日本が攻められたときに軍隊は必要では」などの疑問にかみ合う対話をしようと学習。講師の「他の国の日本への侵攻というのは非現実的。災害など非軍事の危機対策こそ切実です」「強者が勝つ社会から公正・平和・民主社会への転換が世界の流れです」などの話をもとに議論しました。

 参加した理学療法士の伊野克史さん(32)は「憲法や社会のことで意見を言い合う関係がないのが若者の悩み。身近な人から対話をしていくことが大事です。自分も『平和でこそ健康が守れる』と訴えていきたい」と話しました。

■多彩な顔ぶれ

 「会」の活動は一―二カ月に一度の「相談会」を中心に動き、学習や会員同士の交流を大事にしています。一回二十―三十人の参加者は主婦や学生、教員、自営業者、被爆者、元軍人、元市議など多彩な顔ぶれ。自主参加や友人を誘ったりと相談会のたびに新しい参加者が増えているのが特徴です。参加をきっかけに浦和区のほかの二カ所の中学校区でも「九条の会」準備会が立ち上がっています。

 交流では、戦中・戦後の体験が自然に出てきます。

 帆本ひろさん(78)は「亡き夫は中国への侵略戦争に手を貸したことをずっと後悔していました。私も青春時代に軍事工場で働かされ、戦後は苦しい生活を強いられました。子や孫には絶対にこんな思いをさせたくないと『会』に入りました」と話します。連絡員代表の坂本光男さんは「この地域は、戦中・戦後に苦しい体験をした高齢世帯が多く、戦争はいやだという思いを共有することで連帯を深めています」と語ります。

■忘れぬ言葉

 元社会党旧浦和市議の古島一さん(79)は元少年飛行兵。上官の「貴様は消耗品だ」という言葉を忘れません。「平和憲法があったから今の日本の発展がある」と親せき、友人など会う人ごとに語りかけ、健康診断に行けば看護師にも声をかけます。「憲法改悪に歯止めをかける力を大きくしたい」と言います。

 「会」は年末も、「会員一人ひとりが、できることから行動し、賛同者を広げよう」と呼びかけ、目標の賛同者達成へ決意を新たにしています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp