2005年12月10日(土)「しんぶん赤旗」
公務員攻撃はね返そう
自治労連が春闘討論集会
地域や民間と共同
「小さな政府」「官から民へ」の名で小泉自公政権がすすめる国民負担増と格差社会の拡大をはねかえす国民春闘にしようと自治労連(全労連加盟)は八、九の両日、茨城県つくば市で「二〇〇六国民春闘討論集会」を開きました。
駒場忠親委員長は、全労連が小泉「構造改革」とたたかうため、「もうひとつの日本闘争本部」を発足させたことを歓迎し、自治労連も全力をあげると表明。改憲や大増税と一体として強められている公務員攻撃に「こんな地域と日本をつくりたい」を合言葉に、住民や地方・地域労連とともに地域から共同を広げようと呼びかけました。
大黒作治書記長が春闘方針案を提案。「だれでも時間給百円以上の賃上げ」で臨時・非常勤職員の賃金改善・均等待遇を要求し、すべての組合員と青年や非正規が参加できるような春闘を追求していこうと訴えました。
■討論から
■父母と「保育園民営化反対」
■病棟閉鎖で住民の声を調査
討論では、地域で大きく共同を広げ、民営化攻撃をはねかえしている発言が相次ぎました。
広島県の代表は、広島市が指定管理者制度によって千五百もの「公の施設」を民間業者に管理・運営させようとしたことに対し、利用者への呼びかけや宣伝を徹底して追求したと紹介。「福祉・文化・子育ては商品ではありません」「市民の大切な『財産』を一緒に守りましょう」と訴えたビラを十万枚ずつ二回、配布するなかで、市議会でも指定管理者の公募内容の見直しを求める特別決議をあげ、市は公募を大幅に減らさざるをえなくなったと発言しました。
愛媛県代表は、新居浜市で公立保育園を当面四園で民営化するという動きが浮上、住民と「『子どもがまんなか』ネットワーク」を結成したと報告。「子どもは『まちの宝』じゃけん」と訴えたビラの新聞折り込みを断られたため、「それならみんなで配ろう」と組合員も父母も一緒になって三万枚を全戸に配布し、民営化の結論を先延ばしさせたとのべました。
大阪府の代表は、守口市の学童保育条例廃止、指導員の雇い止めの動きに対し、「指導員の経験は雇用継続でこそ生まれる」と父母との共同を追求。「指導員は年収一千万円」などむちゃくちゃなデマ宣伝にも丁寧に対話し、雇用を継続させたと発言し、大阪労連を通じて公務と民間との率直な話し合いも始まっていると報告しました。
愛知県の代表は、新城市の市民病院の病棟の一部閉鎖の動きに対し、アンケート付きビラ八千枚を地域に配布したところ、千五百の返信があったと紹介。「自治体労働者が地域や民間労組に積極的に働きかける春闘にしたい」と語りました。
埼玉県の代表は、地域労連と行った自治体キャラバンの経験を報告。自治体が発注する公共工事や業務委託に携わる労働者に適正な賃金・労働条件が確保できるよう自治体労働者が真剣にとりくみ、民間労働者に「マイナス人事院勧告」を波及させるなと宣伝し、共同行動がすすんだと語りました。