2005年12月10日(土)「しんぶん赤旗」
干渉電波は米軍艦
在日米軍、発信源と認める
羽田空港
■本紙が指摘
羽田空港A滑走路のILS(計器着陸装置)が十月、横須賀方面からの強力な電波によって障害を生じ、着陸機が滑走路を使用できなくなった問題で在日米軍は九日、「電波干渉の発信源は、米海軍艦船と特定した」との調査結果を国土交通省に報告しました。
同問題について本紙(十月二十五日付)は、空母キティホークのTACAN(戦術航法装置)の電波発信が羽田のILSの電波と重なった結果だと報道。日本共産党の穀田恵二衆院議員が同二十六日の国土交通委員会で取り上げ、民間航空機の航行の安全上から在日米軍に責任ある調査と報告を強く求めていました。
米軍の報告によると、発信源は横須賀港に入っていた米海軍艦船が原因と認めた上で、ヘリコプターの予定外の活動を支援するために行った電波が羽田の周波数帯と同一であったとしています。今後、再発を防ぐために(1)すべての米艦船に対して電波の運用手順を厳守させる(2)日本の無線施設に干渉し得る周波数帯の周知徹底(3)運用手順と訓練の見直し(4)総務省、国交省・在日米軍を含めた緊急連絡体制を設定することになったとしています。
電波に詳しいパイロットや管制官は「在日米軍は艦船名を明らかにしていないが、電波の方向や強さから空母キティホークのTACANが原因であることを認めたといえる。米軍はICAO(国際民間航空機関)で定められた周波数帯の電波を空港施設に影響を及ぼす距離での使用を控えるのは当然だ」と語っています。