2005年12月9日(金)「しんぶん赤旗」
12・8 各地で反戦の決意新た
■思い強くきざんで 共産党・民青同盟
太平洋戦争開始六十四周年の八日、日本共産党と民青同盟は東京・新宿駅東口で街頭から訴えました。宣伝カーの周辺で、太平洋戦争の様子を描いた写真パネルを展示し、二十人が憲法改悪に反対する署名を呼びかけ、「しんぶん赤旗」の宣伝をしました。
吉川春子参院議員は「今日は六十四年前に、日本が戦争の泥沼にさらに足を踏みこんでいった日です。二度と戦争してはならないという思いを強くきざむ日にしましょう」とのべ、小泉首相の靖国参拝を批判。
「憲法を変えて自衛軍を持てることにすれば、若者は徴兵制の被害者になりかねません」と、通りがかりの若者に訴えました。
板本泰治民青同盟副委員長は、四十以上の大学で「九条の会」ができるなど青年の間で憲法九条をまもる声と運動が広がっていることを紹介し、「圧倒的多数の青年は平和な世界を願っている」と述べました。
■赤紙配り 平和願う 母親大会連絡会
太平洋戦争開始六十四周年の八日、母親大会連絡会は各地で「平和を守る母親全国連鎖行動」にとりくみました。街頭で赤紙(召集令状)を配布し、「憲法守れ」「戦争反対」と宣伝しました。
日本母親大会連絡会と東京母親大会連絡会は、東京都内二カ所で宣伝しました。買い物客が行き交う千代田区の有楽町マリオン前では、「イマジン」の曲をバックに、「子どもたちを再び戦争には行かせない」などの横断幕や沖縄戦の模様を伝える写真パネルを持った女性がずらりと並びました。各女性団体の代表が、日本国憲法の擁護とイラクへの自衛隊派兵延長反対を訴え、憲法改悪反対の署名への協力をよびかけました。
「母親が、激しい空襲の下で、私を産んだんです」と赤紙を受け取った女性(60)=板橋区=。「都内から長野県の親類を頼って疎開し、食べ物がなくて母乳が出ず、苦労して私を育ててくれました。そんな体験を子どもにはさせたくない」と署名しました。
新宿区の男性(66)も「最近の小泉首相や政府の様子をみると、不安でいやです。憲法は絶対に変えさせてはいけないと思う」と署名しました。
「ぜひ赤紙を持ちかえって、家族で話し合ってください」とのよびかけに東京・狛江市の女性(24)は「テレビでイラクのことを見て、戦争は怖いと思います。父や母に見せます」と話しました。
■戦争する国はいや 安保破棄中実委宣伝
太平洋戦争・真珠湾攻撃から六十四周年の八日、安保破棄中央実行委員会は東京・JR新宿駅東口前で「自衛隊はイラクから撤退せよ」「日本を戦争する国にするな」と宣伝しました。
参加者は「アメリカのイラクでの戦争犯罪に加担するな」などと書いた横断幕を掲げ、ビラを配布しました。
全労連の西川征矢副議長は、自衛隊のイラク派兵延長の閣議決定を批判。在日米軍の再編・強化と日米の軍事一体化の動きを指摘し、「開戦の日に新たな決意で憲法九条を守っていこう」と訴えました。
ビラを受け取った東京・杉並区の内田節子さん(79)は「自衛隊はいつまでもイラクにいても役に立たないから撤退したほうがいい」といいます。
宣伝カーからの訴えをじっと聞いていた東京・世田谷区の男性(77)は、改憲を主張する政党が国会で多数を占めている状況を「歯がゆい」と怒り、「戦争時は予科練にいた。戦友もみんな戦争反対と言っている」と強い口調で話しました。
新潟県見附市から買い物に来ていたフリーターの男性(38)は「日本は戦争中、周辺の国にひどいことをしてきた。九条が変えられて、戦争が始まってから、まずいと気づくようなことになるのは嫌です」と話しました。